将来の進路 履修モデルの紹介
論理的な思考力や表現力などを備えた、高度な専門性を持った人材の育成
法律は、現代社会の基礎として、法治国家・資本主義社会では欠くことのできない存在です。本学科では、日常生活レベルを対象とする法、社会秩序を維持するための法、複雑化・高度化した社会で機能する法といった様々な領域の法律について学習します。1年次は、基本法律科目とされる公法系、民事法系、刑事法系の各領域からその基礎となる法律(憲法・民法・刑法)を学びます。1年次終了後、2年次開始前に各自が考える卒業後の進路を踏まえて、民間企業への就職や中学・高校の教員を目指す「一般法学コース」、国家機関・地方自治体などの公務員や司法書士・税理士などの法律隣接職を目指す「法律専修コース」、裁判官・検察官・弁護士の法曹三者を目指す「司法特修コース」のいずれかを選択し、それぞれの進路を目指した学びを深めることになります。
すべてのコースにおいて、基本法律科目とされる公法系(憲法・行政法)、民事法系(民法・商法・会社法・民訴法)、刑事法系(刑法・刑訴法)の領域に加えて、現代社会で重視される展開・先端系の領域(労働法・国際法・経済法・知財法・環境法など)、法律学の土台となる基礎法学・隣接系の領域(法制史・法哲学・英米法など)、公務員試験には不可欠の政治経済系の領域(政治学・行政学・経済原論など)などから卒業要件を充足するように学ぶことになります。また、1年次には大学の学びをサポートする科目、1~2年次にはキャリアを考える科目もあり、さらには海外の法文化を現地で学ぶプログラムもあります。そして、本学科は、講義科目に加えて1~4年次まで少人数(20名程度)での演習(ゼミナール)でも学ぶカリキュラムとなっており、専門領域での学びを通じて、チームで協力する力、資料や情報を分析する力、課題解決に向けて行動する力などを養っています。
学びの体系
2年次から、以下のコースに分かれて、法律学を学びます。
法学一般コース
大学入学時点で、卒業後の進路が明確に定まっていない学生は少なくありません。そして、法学部に入学したから資格を取らなければならない、公務員にならなければならないというものでもありません。むしろ、法律学を学んだ学生は、広く社会の様々な領域で必要とされています。「広く浅く」様々な法領域を学ぶとともに、隣接する政治経済の領域も学ぶのが、法学一般コースです。このような学びは、中学・高校の教員を目指す人や警察官を目指す人にも合っています。
法律専修コース
法学部に入学する人の半分以上は、将来の進路として公務員をあげます。実際、卒業生の進路を見ると公務員が多いことが分かります。しかしながら、公務員と言っても、地方自治体の公務員と国家公務員は異なりますし、国家公務員にも様々なタイプがあり、卒業後のワークライフプランとマッチする公務員は、慎重に検討する必要があります。ただ、公務員として必要な法律知識は、基本法律科目(公法系・民事法系・刑事法系)と隣接分野(政治経済系)であることは一致しています。
また、法律隣接職と呼ばれる専門資格を有する職業(司法書士・税理士・弁理士・行政書士など「士業」と呼ばれるもの)も法律学の領域には存在します。これらの資格を取得することを目指す人も少なくありません。それらの資格試験は、専門性が異なることからくる違いがありますが、基本法律科目を中心として構成されています。
基本法律科目を中心とした学習を進めるのが、法律専修コースです。
司法特修コース
「法学部に入学するのは、法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)になりたいから」という人は、決して少なくありません。子どもの頃からの夢、ドラマの登場人物に憧れたなど、その理由は様々でしょう。ですが、日本の国家試験の中で難易度最高峰といわれるのは誇張ではありません。その合格のためには、六法+行政法の広く深い理解と、展開・先端領域の知識の習得が不可欠です。それゆえ、法曹三者を目指すためには、本人による法科大学院への進学とその後の司法試験合格を見据えた計画的な学習と、それを目指す学生に対する組織的サポートが不可欠であり、六法+行政法および展開・先端系を中心とした学修と学生に対するサポートを備えているのが司法特修コースです。