主に都市・地域政策の評価に関する研究を行っています。政策の評価のためにはその理論、評価手法の構築、実証分析などの研究が必要になりますが、理論的検討はもとより、主に便益評価手法、経済効果の分析手法の構築と、それらの手法を用いた実証分析を行っています。
　例えば、環境政策や交通政策の費用便益分析では、多様な便益をどのように計測するかといった課題がありますが、これまで計測が困難とされてきた便益項目の計測手法に関する研究や、政策評価の枠組みと評価プロセスに関する研究を行っています。
　また、人口減少下の日本では、地域経済の活性化が課題となっており、様々な政策が実行されていますが、現状ではその効果分析は、現実の政策立案過程で必ずしも適切に行われているとは言い難い状況にあります。財源の厳しい地方行政においては、しっかりした政策立案時の効果分析を行うことが重要ですが、データの不足や計測手法の限界などが課題になっています。そのため、地方自治体が経済効果を行うための、精度の高い手法の一般化やデータ構築手法を研究しています。研究例としては、小地域レベルの地域間産業連関表の構築、市町村－都道府県－その他全国の３地域の経済効果分析が可能な新しい産業連関分析モデルの構築などを行っています。