私の専門である経営組織論は、内外環境の中で組織をどうマネジメントすれば、期待する成果を生みやすいか、どのようなダイナミズムが働きやすいかを研究する分野です。
　経営組織論には、競合他社との関係や国際戦略などを研究対象とするマクロ経営組織論と、主に組織内部のメカニズム、たとえば働く人々の相互作用や職場環境などを研究対象とするミクロ経営組織論があり、そのうち、私はどちらかといえば後者に比重をおいた研究活動をしています。
　もともとは経営組織論の中でも、組織学習論と呼ばれる分野を研究しており、その知見をベースにしながら最近は、「女性活躍推進」や「働き方改革」に関する各組織の取り組みについての評価や、そうした取り組みが望む成果に結びつくために必要と思われる条件などの研究を進めています。また、2018年度は学部ゼミ生との活動として、「いまどき社員」とのコミュニケーションの取り方に悩む上司が望む成果をあげるための組織運営についての分析・考察を、産学連携などの形で行っています。
　このように、その時々の関心やご縁に従って個別の研究テーマは変遷しますが、①組織学習論の知見に基づく形で、その時々に必要な研究手法を試みること、②個人の努力に依存するのではなく、組織システムとしての解決・改善を目指すことを共通目標・土台としています。