公理的集合論の集合論的宇宙の多様性を研究しています。数学的真理には、集合論的宇宙に依存し変化するものが存在します。たとえば、素数が無数存在することは集合論的宇宙によらず共通の真理ですが、実数全体の大きさは集合論的宇宙に依存し変化します。数学的真理のうち、このように相対的に変化するものを研究しています。可能なかぎりうまく集合論的宇宙をコントロールしたいわけです。そうすることにより、当該の命題が、証明可能なものかどうか、また、他の命題とのかかわりを決定したいわけです。しかし、無限基数の組合せ論的性質には、不明なことの方が多い。
　一方、世界中の研究者による長年の研究の蓄積が存在します。また、それを書き換える新しい発想の発現の繰り返しが存在します。これらにより、この分野は発展し続けています。たとえば、集合論的宇宙の拡張を扱う理論の種類が近年増加しています。
　最近の私の関心は、side condition methodを使う集合論的宇宙の拡張にあります。これまでの方法の限界を、もちろん限定的ですが、破る進歩発展の可能性が存在します。