私はこれまでに(1)公的年金の経済成長に及ぼす影響、(2)財政の健全化ルールに基づく財政再建の経済分析、(3)所得再分配政策と財政の持続可能性などについてマクロ経済動学理論の手法を用いて研究を行ってきました。公的年金も政府債務の問題も共にその負担を将来の世代が負うという点で共通した世代間の所得再分配の問題です。将来に先送りし続けていても問題は解消せず悪化していまいます。将来の負担を軽くするためにも経済成長による富の増大を考慮しなければなりません。そのためには将来世代への投資に資源を配分する必要があります。このような相互間の異時点間の資源配分や所得分配の問題に関心を持って、研究を続けていきたいと考えています。