国際経済学は，大まかに言うと，国際貿易論と国際金融論という2つの分野に分けられます。20世紀以降，これらの分野は理論的に発展し，さらに近年では理論研究に加えて実証的な研究も進んでいます。
　このように大いに進展している国際経済学ですが，私の現在の研究テーマは「国際貿易に関する動学理論の研究」と「国際経済における混合寡占および民営化政策に関する研究」となっています。
　前者は，簡単に言うと，国際貿易活動によって，各国の貿易パターンや国内指標がどのような変化・影響を受けるかについて解明する分野です。過去数十年で見て，日本ほど国際的な貿易活動から恩恵を受けている国も少ないのではないでしょうか？ 例えば，その恩恵は，どのような要因によってもたらされたのかについて研究しています。
　また，後者についてですが，現在，世界中には公企業と呼ばれる形態の企業が沢山存在しています。これら公企業と民間企業が国際市場で競争しているとき，その経済は社会的に望ましい状況にあるのか，さらに，必ずしも望ましい状況にはない場合，例えば公企業はどの程度民営化すれば良いのかについて解明するというのが，私の主要な研究テーマの1つです。
　上記の領域について，これまでは主として理論的な研究を行ってきましたが，将来的には実証的なアプローチも用いて，多角的に研究を進めて行きたいと考えています。