ある国や地域で排出された環境汚染物質がその境界を越えて他の国や地域に影響を及ぼす越境汚染の問題、および、すべての国に関わる温暖化などの地球環境問題について、その経済への影響や対策を、経済モデルを使って理論的に分析しています。それらの問題の特徴は、汚染排出の被害が空間的に離れた主体にも及ぶという点に加えて、まだ生まれていない将来世代など時間的に離れた主体にも影響が及ぶという点です。そこで主に、将来世代への影響を明示的に考慮する動学的モデルを使って分析を行っています。また、人々の環境意識の高まりは経済にどのような影響を及ぼすのか、少子高齢化などの人口構造の変化が産業構造の変化を通じて環境と経済の関わりをどのように変化させていくのか、環境保全と両立できる経済政策の在り方とは、などの問題に関心を持っています。