深めて!南山GLS 学生の活躍 学生コラム
夏にイタリアの山での経験―「平和」との出会い
2025.10.22
ライティングセンターTA:Jenny
今年の夏に、Angelina Vople先生が顧問されている有志団体、The Othersの仲間と一緒にイタリアへ行ってきました。10時間以上の飛行機を乗って、ミラノの空港に着きましたが、私たちの目的地はドゥオーモなどの観光地ではなくて、空港からさらにバスで数時間をかかってやっとたどり着くPasso De Tonaleという山でした。毎年、そこで世界中の研究者、記者、学生が集まって、Tonalestate(International Summer University)と呼ぶ国際平和フォーラムが開かれています。
2025のテーマは、「deRElicti」、「見捨てられた人々」でした。たくさんの講演の中で、私が一番印象的だったのは、パレスチナ出身のアンワル先生の話でした。先生と会う前に、すでにニュースやドキュメンタリーでパレスチナの悲劇を知りました。故郷の悲しい現状を語る先生の瞳に隠すことが難しい不安と痛みがありました。しかし、先生は平和のメッセージで講演を終わりました。憎しみや暴力ではなくて、悲劇を止めるために必要なのは対話と友情であることをよく理解できました。
そして、目の前に親の死を目撃したルワンダ出身の方、BEATAさんのお話からも感動を受けました。植民地支配の歴史から埋められた悲劇の種はのちに三ヶ月の大虐殺になりました。フツ族のBEATAさんは親がツチ族の人に銃で撃たれて亡くなったことに直面しました。しかし、奇跡的に生き残った彼女の命を救った人も、ツチ族の人でした。講演の中で、彼女は涙を流しながら辛い経験を分かち合ってくれましたが、アンワル先生と同じく怒りではなくて、平和を希望する姿で深い感動を与えてくれました。
実際、山の上で過ごした10日間、わたしたちは言語、文化が異なるたくさんの方との出会いを通して、善を求める心で一致する平和の可能性を経験しました。自分の日常に戻っても、「見捨てられた人々」の声を聞けるように、自分の中にある善を求める「心の声」に耳を傾けるように、謙虚に学び続けたいと希望します。