南山大学 国際教養学部 Faculty of Global Liberal Studies

深めて!南山GLS 教員紹介

林 愼将

メキシコのテキーラ村の林

専門分野

言語学、生成文法、統語論

この分野を選んだ理由

大学で生成文法の授業に出会い、抽象化によって、全然関係ないように見える文に対して統一的な、簡潔かつrevealingな説明が可能になることが衝撃で、分析と理論の美しさに魅入られました。人間は世界のあらゆる言語を (折り鶴の折り方を学ぶのとは違う形で自然と) 習得できる (他のとても頭の良い動物には無い) 生得的な基盤があり、どんな言語でも、その出所は脳という共通のシステムであり、その生得的な基盤が許すようなものしか言語として発現しないのだから、一見果てしない相違点だらけに思えても、世界の言語は統一のものとして分析できるはずだ、と考える生成文法の哲学的な姿勢や、人間のmind、知性、理性を大事にする (scientific) humanism的な姿勢も好きです。

研究に欠かせないアイテムとその理由

林 愼将_研究アイテム画像.JPG


研究対象は (人類に共通する) 人間の言語機能なので、「欠かせない」ものはありません。究極的には自分の頭に内在する言語のみによって研究ができます。


「欠かせない」ものはありませんが、写真はノーム・チョムスキーのサイン本です。僕らの学問を作った人で、神様みたいな存在です。研究室の先輩が随分前に出版社の企画か何かで手に入れたそうですが、「持つべき人が持っているべきものだから」と当時博士課程だった僕にプレゼントしてくださいました。今では僕の宝物ですが、元々はその先輩にとっても宝物だったはずで、この本を見る度、きちんと研究しなきゃなぁと背筋が伸びます。すぐに曲がっちゃいますが。

趣味

本: 週に1冊くらいなんでも読みます。
服: スーツ、ジャケット等クラシックなファッションが好きです。
酒: ちゃんとした大人になりたいなぁと思って勉強してます。特にカクテルとブランデー、バーボンが好きです。
その他、映画も好きだし美術も好きだしきれいなものやデザインが素敵なものを見たり集めたりするのが好きです。


好きな食べ物

好きな食べ物は嫌いな食べ物とのコントラストではっきりわかるのだと思いますが、嫌いな食べ物が無いので好きな食べ物も特にありません。なんでもおいしい。

座右の銘

理想: 「わたしの意見の批判者として、わたし自身よりも厳格で公正だと思われる人には、まず一度も出会わなかったわけである。」
デカルトの『方法序説』からです。かっこいいですねー自分の理性にプライドを持って真摯に向き合ってないと言えません。こんな風に研究したいです。長いので引用しませんが、カンディンスキーの『点と線から面へ』にも、科学的手法を取る学問に共通する考え方を述べた素晴らしい所見があります。

現実: こうしてこうすりゃこうなるものと知りつつこうしてこうなった
あらゆる僕の生活。植木等のスーダラ節が流れてます。

小さい頃の夢

小学生の頃、頑張って勉強させられている中で、いわゆるサラリーマンになったら今やっている勉強が無駄になってしまうという (誤った) 推論を行い、教員になれば今自分がやってるような勉強をそのまま教えるわけなので、最も効率的に今の苦労が活かせると考え、教員志望でした。その後、安定してるからだとか教えるのが好きだからだとか理由は変わりつつ教員志望でしたが、大学に入り、高校教員になってしまってこれ以上自分が知的に学ぶことが無くなってしまうことが残念に思え、ずっと知的好奇心を満たせる象牙の塔に転居しました。

行ってみたい国・場所

ウェス・アンダーソンの映画の舞台、他にもきれいな映画の舞台、『落下の王国』とか『コロンバス』とか。
バベルの図書館にも行きたいです。

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