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講演会実施報告 2025年12月16日(火)「国際機関とキャリアデザイン」
2026.01.26
▼講演会
主催:国際教養学科
日付:2025年12月16日(火)
場所:D棟B1教室
内容:「国際機関とキャリアデザイン」
講師:藤野あゆみ氏(国連工業開発機関元UNIDO事務局長室戦略計画統制部長)
参加者:「キャリアデザイン」(授業担当者:道田悦代、篭橋一輝、勝愼将)学生132名
概要:
国際教養学部では、キャリア形成支援の一環として様々な分野の講師をお招きして「キャリア・デザイン」という授業を実施しています。3日目の授業では、UNIDOで34年間勤務され、アフリカ等途上国での数々のプロジェクト実施を経験した後、タイ・インド地域事務所長やウィーン本部の幹部職を歴任された藤野あゆみさんをお迎えし、国連での仕事について、また文化の異なる国で働くこと、アフリカの農民から各国政府機関まで様々なステークホルダーとどのように協力してきたのかのご経験をお話頂きました。
履修学生のコメント:
私はこれまで、国際機関での仕事といえば、本部での政策立案や文書作成、各国政府との調整といったデスクワークが中心であり、実際の現地での支援活動は外部の実施機関や下請け的な組織が担っているのだと考えていた。つまり、国際機関は指示を出す側であり、現場からはある程度距離を置いた存在だというイメージを持っていたのである。しかし今回の講義で、国際機関の職員自身が支援や援助のために現地に赴き、状況の把握や関係者との直接的な対話を行っているという話を聞き、その認識が大きく覆された。国際機関の活動は、単なる机上の計画や報告書作成にとどまらず、現地の人々の生活環境や社会状況を直接理解することを前提として成り立っているのだと気づかされた。考えてみれば、現地の文化や政治的背景、住民のニーズを十分に理解しないまま策定された支援策は、たとえ理念的に正しくても、実際には機能しない可能性が高い。職員が自ら現地に足を運ぶことは、支援の効果を高めるだけでなく、国際機関が掲げる中立性や人道性を現実の場で検証し続ける行為でもあるのだと感じた。今回の講義を通して、国際機関の仕事は、グローバルな視点とローカルな現実の両方を往復する、想像以上に実践的で責任の重いものであると理解が深まった。(澤邉 和真さん)
この講義を受けて、国連、特にUNIDOで働くことがどのような仕事なのかを、現場の視点から具体的に知ることができた。国際機関の仕事は、会議や政策づくりが中心だと思っていたが、実際には開発途上国の現場に入り、人々と直接話しながら支援を進めていく仕事であることが印象に残った。また、治安の問題や文化の違いなど、教科書だけでは分からない現実があることも強く感じた。セネガルやガーナでの女性支援の事例では、援助とは与えることではなく、自分たちで考え、行動できるように支えることだと分かった。技術や資金を入れればすぐに生活が良くなるわけではなく、時間をかけて人や組織を育てる必要があるという話は、開発援助の難しさをよく表していると感じた。特に、何が欲しいかではなくどうすればよいかを考える姿勢が大切だという点が印象的だった。一方で、疑問に思ったのは、現場で必要とされている支援と、本部や政府の考えが一致しない場合、どのように判断するのかという点である。講義では即断力の重要性が語られていたが、その決定が現地にどのような影響を与えるのかを振り返る仕組みについても、もっと知りたいと思った。この講義を通して、将来どのような仕事に就くとしても、異なる文化や考え方を理解し、柔軟に対応する力が重要だと感じた。違いは間違いではないという考え方や、言葉は目的ではなく手段であるという姿勢は、今後の学びやキャリアに生かせると思う。まずは自分の専門分野をしっかり身につけ、同時に人と向き合う力を高めていきたい。(江端 衣舞さん)
今回の講義では、UNIDO をはじめとする国際機関の意思決定構造や、現場と本部の間で生じるギャップ、そしてそこで働くために求められる姿勢について具体的に知ることができた。特に印象に残ったのは、計画は「ルール」ではなく「道筋」にすぎず、目的を見失わずに柔軟に対応する姿勢が重要だという点である。理論や机上の計画だけではなく、フィールドでの経験が内部調整に大きく役立つという指摘から、現実を踏まえた実践力の必要性を強く感じた。また、「違いは間違いではなく現実である」という考え方は、多国籍の人々と協働する国際機関ならではの価値観だと感じた。自分の常識を一度横に置き、相手の背景や立場を理解しようとする姿勢が、組織内外の協力を進めるうえで不可欠であることがよく分かった。言語についても、流暢さや発音より「何を伝えるか」が重要であり、専門性や内容で勝負するという考え方は、日本人が国際機関で働く際の大きな励みになると感じた。言葉は目的ではなく手段であり、臆せず発言する姿勢(Speak up)が求められるという点は、今後の学習や進路を考えるうえで意識していきたい。(岡田 麗菜さん)
今回の藤野さんの講義を聞いて、国連職員という仕事の多面性と実際のことについて深く理解することができた。特に、国連工業開発機関(UNIDO)の地域事務所所長としての開発途上国援助の事例が印象的であった。セネガル、スーダン、ガーナでの現場支援を通じ、「何(WHAT)が欲しいかではなく、どうすれば(HOW)いいか」という起業家精神の重要性や、援助の成功には現地コミュニティの理解と継続的な組織的支援が必要であるという指摘は、机上の理論では得られない貴重な教訓であると感じた。また、本部勤務における戦略計画策定や加盟国との調整業務から、「上から目線」と見られがちな状況での説明責任の大きさと、現場経験の有効性を知り、国際機関での仕事は高度な専門性と柔軟なコミュニケーション能力が不可欠だと改めて認識した。(高木 啓一郎さん)
本講義を通して、国連での仕事は理想論ではなく、極めて現実的で判断の連続であると感じた。特に印象に残ったのは、開発援助は「支援する側の正しさ」を押し付けるものではなく、現地の人々が何を望み、どう行動しようとしているのかを理解することから始まるという点である。セネガルやガーナの事例では、女性たちの起業支援が単なる経済支援ではなく、家族や地域社会全体の理解を得ながら進められていることが示され、開発の難しさと奥深さを感じた。また、治安問題や文化の違いの中で即断を迫られる場面が多いことから、国連職員には専門知識以上に人間としての覚悟や柔軟さが求められると分かった。国際協力とは、人と人との信頼の積み重ねなのだと強く実感した。他者と自分との違いをそういうものだと理解し自分の行動に自信を持って責任ある行動を取れる社会人になりたいと思った。(鈴木
七実さん)

