南山大学 国際教養学部 Faculty of Global Liberal Studies

深めて!南山GLS 学生の活躍 講演会レポート

講演会実施報告 2023年12月14日(木)「入管政策と外国人労働者の抱える問題」

2023.12.20

▼講演会


主催:国際教養学科
日付:12月14日(木)
場所:B21
演題:「入管政策と外国人労働者の抱える問題」
講師:大坂恭子弁護士(ラヴィーダ法律事務所)
参加:国際教養学部生、他学部受講生

吉田先生からの一言:
愛知県で外国人労働者の問題に長年携わっておられる弁護士の大坂恭子氏を招き,「入管政策と外国人労働者の」と題して講演していただきました。
日本における外国人労働者の受け入れについて歴史的背景と現状を説明しつつ,最近注目を浴びている入管政策についても触れていただきました。
講演の後の質疑応答も活発におこなわれ用意していた時間では足りず,大坂氏が後日積み残しの質問に対して回答していただくほどでした。
近隣の県をあわせて愛知県は日本の製造業の一大拠点を形成していることからも,日常生活において外国人労働者と身近に接する(あるいは自らが当事者である)機会の多い土地です。
学生も卒論のテーマに外国人労働者を取り上げることが多く,大坂氏の講演は大変好評でした。

学生からの感想:
「今日の講義を聞いて、自分がどれだけ無知だったのかを思い知りました。なぜか勝手に技能実習制度について、ポジティブな印象を持っていたので彼がどれだけ劣悪な状態で働いているのかがとても衝撃でした。テレビなどのメディアで取り上げられている技能自習制度の紹介を何度か目にしたことがあり、経済的に余裕のない外国人労働者を助ける仕組みの良い部分しか見せられていなかったかもしれないとも感じました。(略)
愛知県の豊田市に住んでいて、トヨタ紡織やトヨタ自動車で働く日系ブラジル人の両親を持つ子どもたちと関わる機会が小さい頃から多かったですが、最近は街にベトナムやアジア系の他の国からの人が多いなと体感で感じていたので、今回ベトナムやネパールからの技能実習生が増えてきていると聞いて、なんだか腑に落ちました。(略)
今日は、本当に有意義な時間を過ごせました。大坂先生、ありがとうございました。」

「私の父母が外国人労働者なのでとても共感する部分だったら新たに気付かされる部分が多くありました。特に父は日系人3世であり、父のように親戚で日本に出稼ぎに来ている人が周りに多くいます。私がその人たちを見て特に感じていることは、日本で今後生活することの難しさです。親が日本で出稼ぎをする覚悟で働いていても、子供たちはそうではありません。それによっていじめだったり将来に対する目標を失うことに繋がることもあると考えています。特にブラジル人で最近多いのは、出稼ぎで一時的に日本にいるつもりが、母国に帰ることをやめるケースです。その場合、子供の将来だったり永住権を獲得するために必要なことが多くあり、まだまだ外国人が暮らしやすい日本ではないような気がしています。私の町四日市ではそういった外国人が多いです。しかし、そのような方々のために多くの施策がなされており、よりよい町になっていっていることも実感しております。病院や市民センターなどには必ず通訳ができる方がいたり、看板はポルトガル語で書かれていたり、防災訓練も外国人が来やすいよう工夫がなされていたりしています。これが四日市以外でも広がり、日本が外国人にとって暮らしやすい国になると嬉しいと思います。それが日本の少子高齢化問題を解決する一因になればなお良いと思っております。」

大坂弁護士からの感想:
「(学生の)感想の方もすべて読ませていただきました。
とても熱心なコメントが多く、この問題を議論するポテンシャルが高いのを感じました。
また、入管は権限が強くて良いんだ!というコメントも複数あり、次回はぜひ収容・送還問題もディスカッションしてみたいなと思いました。
(略)今回は、貴重な機会ありがとうございました。」

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