学科紹介 教員紹介
福本 拓(ふくもと たく):教授
自己紹介
昨今、グローバル化に伴って国際的な人の移動が活発化し、日本でも、外国人や外国にルーツを持つ人が増えています。大都市には、コリアタウンや中華街など、日本社会の文化面での多様性を象徴する場所が見られます。私は、人文地理学の理論や実証研究をもとに、特に都市内の集住という現象に着目し、そのメカニズムの解明や多文化共生のあり方について研究を続けてきました。
研究では、特に地域という観点にこだわってきました。多文化共生は望ましい理念ではありますが、達成に向けた過程には様々な困難がつきまといます。その中には、地域の産業特性や人々の特徴など、地域に関わる諸要因も大きな影響力を持っています。多文化共生の実現には、意識の有り様だけでなく、地域への着目も欠かせません。
また、地域へのこだわりは、文化の動態性の理解にもつながります。日本(文化)・外国(文化)は明瞭に分けられるものではなく、その境界領域で多様な交流や葛藤が生じ、「日本」らしさが創られてきました。こうした境界のダイナミクスは、地域の歴史をひもとくことでより一層明瞭に看取することができます。
地域から多様な文化の存在を捉えることは、過疎や地域間格差といった現代日本の地域課題にとっても重要だと思っています。その意味では、外国人だけでなく、広く地域に住む人々の生活実情にも関心がありますし、学生の皆さんにも、日本の地域の多様性に触れる機会を持って欲しいと思います。
仕事柄、読まないといけない本が多いですが、カフェや喫茶店での読書が心落ち着く時間です。名古屋は喫茶店文化で有名ですし、自分のお気に入りの場所を開拓していきたいです。
主な担当科目
日本文化学入門、日本民俗文化論、地域文化論、人文地理学、日本文化学演習など