学科紹介 教員紹介
西岡 淳(にしおか あつし):教授
自己紹介
私は中国文学、特に古典を中心に研究しています。もともと漢字で書かれたものが好きでしたが、その中でも、強い定型性を持ちながら、読む者の想像力を羽ばたかせてくれる詩の世界が性に合っていました。今もその傾向は変わりません。
中国の古典と言ってもさまざまですが、私が主な研究の対象としているのは宋代の詩文です。宋代の詩については、「唐詩は酒の如し、宋詩は茶の如し」「唐詩は青年の文学、宋詩は大人の文学」ということばがあります。感情を高ぶらせて雄大にうたう唐の詩人たちの後をうけ、宋代の詩人たちは、概ね平静で理知的な表現を用いました。彼らはまた、唐人よりも日常的な事物をうたうことが多く、個人的な習慣や好きな食べ物、人によっては飼い猫の名前まで分かったりもします。およそ千年も前でありながら、等身大の彼らの暮らしぶりがある程度まで知られる、その一方で北宋の蘇軾(東坡)のように、壮大な規模の世界観を持つ人物もいるというのが、この時代の面白いところだと思います。
それらの詩文を始めとする中国古典を読むことは、「日本人であること」を自らに問うことにつながります。学生諸君には、日本のことを扱う場合には日本の外側からの視点を持ち、外国のことを扱う場合にはあくまで外部者としての眼を失わないように言うことが少なくありません。この島国で中国文学を研究する者として、そうした「異域の眼」(私の師のことば)を保つことが、今後ますます意味を持ってくるような気がします。
学生時代に野球をしていた縁で、大学では硬式野球部の部長をつとめています。今はもうグラウンドでプレーするのは無理ですが、学生諸君の試合は時々見に行って応援しています。
主な担当科目
漢文学A/B、中国古典研究、漢文学研究、日本文化学演習など