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【留学体験談】DAADのHSK(夏季講座奨学金)を利用したミュンヘン語学留学
2024年12月18日
私は学部4年次の夏休みに、DAADのHSK(夏期講座奨学金)を利用してミュンヘンに語学留学に行ってきました。私は将来大学の研究員になるために、ドイツの大学院で学びたいと考えていました。そこで先生から紹介して頂いたDAADの奨学金に応募することにしました。
往路はセントレアから、シンガポール・チャンギ国際空港を経由してミュンヘン空港へ行きました。到着当日にガイダンスに参加し、翌日から約4週間のドイツ語コースに参加しました。ドイツ語コースを終えてからの3日間でウィーン、レーゲンスブルク、ニュルンベルク、インゴルシュタットを観光しました。復路はミュンヘン空港を出発し、シンガポール・チャンギ国際空港を経由してセントレアに帰ってきました。
授業は、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンでB2のコースを受講しました。月曜日から金曜日までの週5日、12時50分から13時30分までのグループ発表を行うプロジェクトアルバイトと、14時から17時半までのドイツ語授業を受けました。
受講生は同じ教室に20人くらいでした。様々な国から来ていて、日本人は僕を含めて2人でした。また僕のようにDAADの奨学金を利用してドイツ語コースのためにドイツ来た学生は全員の3分の2くらいでした。そのほかの受講生はすでにドイツで学校に通っている学生や、ミュンヘンで仕事をしている社会人の方でした。
B2レベルには、事前のプレースメントテストで割り振られたのですが、僕にはかなり難しく、宿題も多かったので大変でした。ただ他の受講生もB2は難しいと感じていて、先生もそれを分かってサポートしてくれたので、授業は和やかな雰囲気で楽しく受講することが出来ました。
ドイツ語コース中の宿泊は大学から紹介して頂けた3人1部屋の宿泊施設に宿泊していました。同部屋には僕と同じくDAADの奨学金で同じB2のコースを一緒に受講していたフランス出身の学生と、A1のコースを受けに来ていた南アフリカ出身の社会人の方がいました。狭い部屋で出身の全く違う3人での生活でしたが2人ともとても気さくで、困難なことはなく楽しく過ごすことが出来ました。1度深夜に別の部屋の宿泊客が大音量で騒いでいたところに警察がやってきた騒ぎがありました。しかし私はそのとき寝ていて、翌朝そのことを知りました。
ミュンヘンでの生活はとても充実していました。
ミュンヘンは人がとても気さくで治安がいいと聞いていましたが、本当に出会った多くの人が親切に接してくれて、身の危険を感じるようなことは一度もありませんでした。ただビール祭りであるオクトーバーフェストの開催期間になると、大学からの注意喚起に従って、夜間に中央駅など人ごみには行かないように気を付けていました。
特に交通の便は最高でした。月8000円で購入できるドイチュラントチケットを使うとドイツ国内の高速鉄道を除く鉄道、バス、トラムに乗り放題でした。ミュンヘンは鉄道、地下鉄、バス、トラムが市内に張り巡らされているのでどこにでも行くことが出来ました。そして休日にはローテンブルク・オプ・デア・タウバーまで片道4時間弱の電車旅をしましたが、これも追加料金なく往復することが出来ました。
平日は午後からは授業を受けて、宿に戻って大量の宿題をして就寝していましたが、午前中は2週目からはほぼ毎日ミュンヘンの観光に出かけていました。博物館に行ったり、コンディトライでケーキを食べたり、街中やイングリッシュガーデンを散歩したりいろいろなことが出来ました。土日は朝早くから夜まで観光していました。ローテンブルク・オプ・デア・タウバーやミュンヘン郊外にあるニンフェンブルク城など平日には難しい遠出をしたり、ミュンヘン博物館など大きな施設を1日かけてじっくり観光したりしました。ミュンヘンで訪れたいと思っていた場所、やりたいと思っていたことは一通り出来たと言えるほど充実していました。
右・アリアンツ・アレーナ
左:アルテ・ピナコテーク
留学費用は飛行機代や授業料、宿泊費、生活費、交通費、出国前の荷物の買い出しなど諸々を含めて約50万円でした。DAADの奨学金が2100ユーロ(約33万円)だったので、自費は20万円ほどでした。そのうち、お土産とドイツ語コース後の3日間でウィーン、レーゲンスブルク、ニュルンベルク、インゴルシュタットの観光に10万円ほど出費があったので、ドイツ語コースへの参加、ミュンヘンでの生活費は総額で40万円ほどでした。
留学に関して一番の困難は、振り返ると出国前の期間だったと思います。
DAADの奨学金の申請の準備は前年の9月頃から始め、志望動機書など12月初旬に必要な書類をオンライン上にアップロードしました。ドイツ語の語学力証明はB1のレベルが必要で、先生の指導のもと11月にオンラインでonSETを受験しました。DAADの審査の合格の通知が来たのは4月でした。
それからすぐにパスポートを取得し、航空券を予約しました。また宿泊施設についてもすぐに大学にEメールで問い合わせました。すると大学が宿泊施設を後々斡旋してくれるとのことでしたので6月の連絡を待って申請しました。
そして出国の2週間前くらいに荷物の整理をして必要なものを買ったり、通貨の両替をしたりしました。
準備の期間は困り果てることはなかったのですが、経験のないことをたくさんやらなければいけないことと、常に不安があったことが大変でした。パスポートの取得や航空券の予約など、初めてのことを自分で調べてやらなければいけないのは時間と手間がかかり、どうやればいいのか、あっているのか、やり損じはないかと常に不安がありました。
ただ奨学金や航空機、宿のことなど、先生方が助言をしてくださったのもあり、不安ながらも滞りなく進めることが出来ました。
準備に不備がないか不安の中で出発しましたが、留学してドイツで生活することで、将来の目標をよりはっきりとイメージすることが出来るようになりました。とてもいい経験になりました。私はドイツへ行ってみたい、留学をしてみたいという気持ちがありましたが、自費のみでの留学は諦めていました。DAADから奨学金を頂けたことと、DAADの奨学金を勧めてくださり、申請をサポートしてくださった先生方には本当に感謝をしています。
右:ニンフェンブルク城
左:ミュンヘン・レジデンツ
2021年度入学 小玉 翔太