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齋藤 敬之(さいとう ひろゆき)【准教授:近世ドイツ史、犯罪史、都市史】
研究・業績 |
南山大学研究者詳細をご参照ください。 |
最近気になっていること
16-18世紀のドイツにおける暴力犯罪を研究テーマとし、最近はとくに決闘に注目しています。当時の暴力では口論や侮辱を発端とするものが頻繁に見られました。現代社会でも、SNS上などでの誹謗中傷やデマ、それをきっかけとする痛ましい事件が日々ニュースに取り上げられ議論もされていますが、「言葉も暴力」という認識を改めて強く持つ必要があると思っています。
研究をはじめたきっかけ
もともと子供の頃から、学習漫画や大河ドラマ、歴史小説好きの親との会話などを通じて、歴史に関する興味を持っていました。高校生の時に9・11が起き、当時はイメージや情報に偏りがあった(と自分が感じた)イスラームの歴史に関心を持ちました。イスラームの歴史を研究するつもりで大学に入学しましたが、希望の授業を履修できなかったり1年次のうちにアラビア語に挫折してしまったりする中で、以前より少しだけ興味のあった西洋史の授業を履修することにし、その担当教員のテーマである中世ドイツ都市に次第に大きな関心を持つようになりました。それ以来、卒業論文では14-15世紀のネルトリンゲンの産業、修士論文では16世紀のアウクスブルクにおける飲酒規制、博士論文では16-17世紀のライプツィヒにおける暴力犯罪とその処理、といったテーマに取り組んできました。現在は17世紀後半から18世紀にかけての暴力犯罪、とくに決闘の分析に取り組んでいます。このようにテーマも時代も対象事例もだんだんと変化していますが、ドイツ都市社会のあり様や日常生活の状況についての関心はまだまだ尽きていません。
高校・大学・これまでのこと
大学入学前からなぜか「大学院に行きたい」と思っていたものの、「研究者になりたい」という具体的なビジョンは持っていませんでした。実際にいざ進学すれば、サークル活動(卓球同好会)や夜勤のアルバイトもこなし、どう考えても勉強は第一位ではなかったと思います。
上記のような経緯で大学の専攻を考えていたため、第二外国語はドイツ語ではありませんでした。2年次以降、独学で文法書をこなしたり入門の授業を履修したりとドイツ語に触れる時間を可能な限り確保しました。大学院に進学後、研究テーマをさらに進めるにはドイツに留学するしかないということで、1年間ライプツィヒ大学へ交換留学しました(この時人生初の飛行機、人生初の一人暮らしでした)。帰国後、博士論文をドイツで執筆・提出することを決心し、今度はドレスデン工科大学へ留学しました。合計して約5年間母語が通じない世界で指導教員や知人・友人に恵まれて過ごしたことは、自分にとって大きな経験でした。大学入学前後の関心からすれば、ドイツ語やドイツの歴史に関わる仕事をしていることに今でも驚きを感じます。
好きなもの(こと・場所)、苦手なもの(こと・場所)
〈好きなこと〉
趣味はあまりありませんが、スポーツを見るのは好きです。一番好きなのは野球で、(おそらく親から受け継いだであろう)巨人ファンです。また、ドイツ留学中にテレビ中継で見たサッカーのワールドカップでドイツ代表が全試合負け知らず、つまり優勝したのがとても印象に残っており、それ以来ずっと注目しています。
下手の横好きではありますが、なるべく毎日キッチンに立って何らかの料理を作ることをルーティンにしています。
ここ数年は、革製品の手入れ、とくに靴磨きにはまっています。ブラシやクリームなどさまざまな道具を揃えることやいろいろな作業手順があること、そして無心になれる瞬間を持てることに楽しさを覚えます。
〈好きな場所〉
・出身地である横浜(山手の丘からは中心部の街並みや港の風景を望めます)
・矢田川の河川敷(のどかな雰囲気が散歩にはちょうどよいです)
・留学先であるドレスデン(エルベ川沿いは落ち着きます)
メッセージ
「目標がその日その日を支配する」(横浜高校野球部監督渡辺元智氏の言葉)