学科紹介 教員紹介
畑野 小百合(はたの さゆり)【講師:音楽学、音楽社会学、芸術思想、ドイツ語圏表象文化論】
研究・業績 |
南山大学研究者詳細をご参照ください。 |
研究をはじめたきっかけ
ピアノ専攻の学生として学部に入学した頃の私は、音楽学の存在価値に懐疑的でした。「音楽学専攻の方々って何をやっているのかしら」、「音楽についての研究って意味があるのかしら」という疑問を口にしたことが少なくとも複数回ありますし、生意気にも、音楽学専攻生や音楽学の先生にこの問いを投げかけた記憶もあります。
私が音楽学の研究をはじめたきっかけは、まさにこの「音楽についての学術研究には意味があるのか」という問いにありました。この問いを解消したいがために(半分冷やかしで)音楽学関係のゼミや講義に参加していた結果、「音楽についての学術研究は、世の中に対して意味があるかはないかはともかく、自分に大きな知的興奮をもたらす」という結論に至りました。そして、大学院から音楽学を専門とするようになりました。要するに「ミイラ取りがミイラになった」ということであり、当時音楽学の面白さに気づかせてくださった方々には、今も心からの感謝と尊敬を感じています。
高校・大学・これまでのこと
幼少期から高校時代まで、一心不乱にピアノを弾いていました(その割にうまくなかった)。いつか自分の人生にはドイツ語が必要になるのではという妙な予感があり、ラジオ講座を聞いてドイツ語をかじり始めたのは高校生の頃です。
ピアノ専攻の学生として音楽大学に進学したものの、西洋音楽史や民族音楽学、日本音楽史、グレゴリオ聖歌、オーケストレーション、語学、歴史、文学、教育などの授業がとてつもなく面白く、もっと視野を広げて勉強がしたいと思うようになりました。
大学院から音楽学の研究を始め、通算約6年をドイツで過ごしました。その間、現地の合唱団に所属したり、たくさんの演奏会やオペラに通ったり、さまざまな形で音楽に携わる人々に出会ったり、それまでとはまた違う音楽・芸術経験を積みました。
いびつなキャリアかもしれないけれど、すべての経験が財産であり、今につながっていると思います。
メッセージ
遠回りしているように思える時ほど豊かな経験を積んでいるものですし、前進していないように思える時ほど大きなエネルギーを発しているものです。楽しむ気持ちをもって、価値があると思えるものに真摯に取り組みましょう。