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【留学体験談】わたしのドイツ留学(トリーア、ベルリン/ 2018年2月〜2019年2月)
2019年07月05日
私は南山大学を休学して「フリームーバー」というシステムを利用し、トリーア大学に1年間留学しました。
このフリームーバー制度は様々な条件がありますが、このシステムのお陰で、比較的ドイツへの留学は私たち外国人にとって開かれたものになっています。しかしフリームーバー制度を利用して留学する場合、大学からの支援が乏しいため、基本的に留学先の大学探しから留学手続き、現地でのビザ手配、家探しなどあらゆることを自分でしなければいけませんでした。しかしトリーア大学はフリームーバーに対しての支援が充実しており、また日本学科があるので留学生局のクルーガーさんや日本語ができるドイツ人の友人のおかげで、1人だと上手くいかなかったことも乗り越えて、全ての手続きを問題なく無事に終えることが出来ました。
留学生向けのドイツ語授業ではレベルが高く、学習歴が長い留学生に囲まれ、彼らから学ぶことが多く、必死についていく毎日でした。初めは理解するのに一生懸命になりすぎて意見を発言するどころか、中々言いたいことがまとまらなかったり、そもそもアイディアが思い浮かばなかったりしました。特に印象的だった授業は、プレゼンテーション・ディスカッションの授業です。これを受けて、国によって社会に関する様々な問題に対する意見が違ったり、ある国では重要なテーマだと考えられているけど、違う国では関心が低いテーマになっていたりしているということを実感しました。この授業で原子力発電についてペアプレゼンテーションを30分、大勢の参加者の前で原稿を全く見ずにスムーズに発表を終えた達成感は忘れられません。
この日々のわたしのドイツ語の進歩の支えとなったのは、タンデムパートナーの助けがあったからです。前に述べた様にトリーア大学には日本学科があり、たくさんの学生が日本学を学んでいます。そのためたくさんのタンデムパートナーができ、彼らと平日は毎日お互いにドイツ語と日本語を教え合いました。もちろん勉強面だけではなく、たくさんのことを一緒にしました。BBQ 、ボウリング、ビーチバレー、飲み会、小旅行、七夕、クリスマスマーケット巡り、年越しカウントダウン、新年会、送別会...。1年いたからこそ本当にたくさんのイベントを一緒に楽しめました。
また夏休みの1ヶ月はドイツ学術交流会(DAAD)の奨学金制度を利用して、ベルリンでドイツ語を学びました。ベルリンではドイツ語を勉強するだけでなく、2年生の研究入門で発表テーマに選んだドイツの歴史教育・歴史教科書のフィールドワーク、習ったドイツの歴史を自分の目で見るという目的がありました。訪れた場所は、歴史に関する資料館・施設には目を背けたくなる資料、今も残る残虐な行いの跡ばかり。授業で習ったり本で読んだりしてわかったつもりでいましたが、実際の現場を訪れると想像以上の当時の惨状を目の当たりにし、考えさせられました。ベルリンでの時間は決して楽しいばかりではありませんでしたが、得るものは大きかったです。トリーアはワイン畑に囲まれて時がゆっくり流れる穏やかな毎日を送れる街でしたが、ベルリンはベルリンで今と昔、光と闇と様々な対となるものが共存しており、たくさんの刺激を受けることができた街でした。この奨学金プログラムはかなり有益だと思ったので、興味のある人は是非挑戦して欲しいです。
留学中に起こったことを振り返ってみると、楽だった、楽しいことばかりではありません。むしろたくさん失敗し、迷い、不安になりました。でも異国の友人たちに恵まれ、助けられて、たくさん学び、吸収し、自分自身とても成長できました。今では経験したことのないトラブルをたくさん経験出来て良かったと思っています。辛かったことなんて無かったくらい、総じて充実した楽しい毎日でした。今でもすごくドイツでの生活を恋しく思います。この拙い文章がぜひこれから留学を考えている人、ドイツに興味がある人へのなにかきっかけになれば幸いです。
2016年度入学 浦山映里佳