Special Contents アジア学科の授業風景

アジアと日本

科目名 アジアと日本
担当教員 張玉玲宮原佳昭
授業概要 この授業は講義形式で行われる。
日本に住む者にとってアジアを学ぶことの意味は何かを問い直す。日本とアジアの近隣諸国との交流を概観する中で、日本がアジアの人々から学んだものを確認する。同時に、日本はアジアをどのように認識してきたのか、またアジアの人々には日本がどのように見えるのかを検討する。さらに、日本がアジアの人々に信頼されうる友人たりえるためには何が必要なのかを考える。
科目の全体像 南山大学シラバス参照
日時 第3クォーター(9~11月)

担当教員のコメント

張玉玲

 日本の近現代化に伴って東アジアや東南アジアへの日本人移民や現地における日本人コミュニティの諸相などについて、当時の写真、映像などを用いながら授業を進めてきました。中でも、旧満州国に開拓民として移住し、終戦後に帰国できず中国人の家庭に入って生活することになった「中国残留孤児・婦人」の一部が、1970年代以降帰国したという史実は意外と知られていないようで、授業にその三世代目になる当事者を講師として招き、話をしてもらうこともあります。

 教科書やニュースにも出てこない「無名の人々」の歴史や暮らしに着目することで、国と国が作る「大きな歴史」、そして今日の日本と東アジア諸国・地域の関係性、アジアおよび世界における日本の立ち位置などについて考える手がかりを得ることができればと願っています。

宮原佳昭

 本授業では、「相手の考えを理解するためには、相手がどのような教育を受け、どのような価値観を形成しているかを学ぶべきだ」「日中韓いずれにおいても、政府の考えと民間人の考えは異なるため、両者を混同せずに分けて考えるべきだ」ということを伝えるため、日中韓の過去の歴史や現代問題をとりあげて講義しました。この授業を通じて、相手の考えを理解するとともに、「それでは日本で教育を受けてきた自分はどうなんだろう?」と自分を客観視するきっかけにしてもらえるとうれしいです。

 また、アジア学科生が普段からアジア情勢へ目を向ける習慣をつけるようにするため、毎回の授業において、アジア情勢に関して自分が興味を持った最近1週間の新聞記事を1つピックアップして紹介する、という課題を設けました。

 この授業で得た学びを、アジアの人々との相互理解にぜひ役立ててほしいと願っています。

学生の感想・コメント

  • 張玉玲先生の授業では、映画を見るというアプローチで、アジアと日本のことを効果的に楽しく学ぶことができました。
  • 宮原先生の授業では、「アジアに関するニュースを調べてまとめる」という課題が非常にためになりました。自分からニュースをチェックする習慣がありませんでしたが、授業の課題として毎週チェックすると、興味深いニュースが多いことに気づくことができました。
  • 高校の日本史や世界史の授業では知る機会がなかった、海外から見た日本の立ち位置を知ることができた。
  • 日本と中国・韓国など、アジアの国々との関係や問題を、それぞれの国の観点から知ることができてよかった。
  • アジアの国々と日本が関わる歴史認識問題を取り上げ、その問題に対してどう向き合えばよいか、韓国や中国の人々に対してどのように接するべきかを学ぶことができた。
  • もともと私は歴史が苦手で、質問されても分からないことが多かったです。この授業でも歴史的背景を学ぶのですが、決して難しくなく、日本と中国・韓国との認識の違いを知ることができて面白かったです。
  • この授業を通して、ある偏った視点から物事を捉えるのではなく、他国の考えや歴史を尊重する見方が重要であると感じた。日本人だからといって日本を擁護する立場をとる必要はなく、一個人としての考えに焦点をあてる必要性に気づいた。
  • 日中間の歴史認識や領土問題について、両国の人々は国内で学んだ内容や視点が異なること、また政府と民間人の間で意見が同じではないことがよく分かりました。もし中国人の友人といろいろな話題を話す機会があっても、堂々と自分の思いを伝えることができると思いました。

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