教員コラム 総合政策学専攻
学生と協働での不用衣類回収から、持続可能な社会づくりの拠点としての南山大学の可能性を考える。(総合政策学 前田 洋枝 教授)
2026年02月13日
日本で家庭から可燃ごみや不燃ごみとして排出される衣類は、2024年度では推計49万トン。家庭から資源として排出されたもののうちリユースやリサイクルされなかったものや販売業者からの産業廃棄物も含めると、推計56万トンが焼却や埋め立てされています(三菱UFJリサーチ&コンサルティング, 2025)。「ごみ問題」は、マイクロプラスチックなどのプラスチックごみや食品ロスが注目されがちですが、近年、各自治体で対策に力を入れているごみの1つが、衣類です。
2025年6月、名古屋市を拠点とする認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会が環境省の「令和6年度補正予算 使用済衣類回収のシステム構築に関するモデル実証事業」に採択され、大学にもリユース・リサイクルのために衣類の回収ボックスを設置する相談を受けました。そこで、2025年10月中旬から11月末まで、学内5カ所に「RELEASE⇔CATCH(リリースキャッチ)」の回収ボックスを設置し、南山大学SDGs普及啓発団体CLOVERなど衣類のリユース、リサイクルに関心を持つ学生さん達と不用衣類の回収活動を実施しました。
加えて11月2日の南山大学総合政策学部25周年記念行事の1つとしても位置づけてもらいました。当日に不用な衣類を持参してくださった方には、その衣類をチャリティショップで販売したりした収益を活用する支援先として、名古屋を拠点として活動している3つの認定NPO団体の中から選んでいただく取り組みも行ないました。
11月2日に寄付いただいた不用衣類は約60㎏。リユース可能なものは認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会が運営するチャリティショップで販売し、リサイクルせざるを得ないものはリサイクル業者に買い取られたとして計算された結果、支援額は
・認定NPO法人レスキューストックヤード(被災地支援、地域防災活動) 6,003円
・認定NPO法人セカンドハーベスト名古屋(フードバンク団体) 11,829円
・認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会(リユース、リサイクル) 9,027円
となり、リユースやリサイクルによるごみ減量だけではなく、被災地支援や困窮している方々への食品支援などにも、いくらかお役に立つことができました。
また、上記の11月2日の総合政策学部25周年記念事業も含めた南山大学での約1か月半の回収期間の間に集まった不用衣類は約390㎏。これは、今回の事業で中部リサイクル運動市民の会が「RELEASE⇔CATCH(リリースキャッチ)」の回収ボックスを設置した施設の中で、断トツに多い回収量です。11月2日に学生達と一緒に不用衣類の受付に立っていた時、来場者の方からのお声で印象的だったのが、「ごみにしたくなかったけど、今までどこに寄付すればいいのかわからなかった。南山大学での学生さんの活動であれば信頼して出せる」というものでした。地域の皆様や卒業生の皆様が「南山大学」および学生の活動に寄せてくださる信頼が今回の不用衣類の寄付を実行するきっかけになったことを大変ありがたく感じています。
さまざまな方からご協力をいただくことによって、大学が持続可能な社会づくりの拠点の役割を果たせる可能性に思いをはせた昨年秋の活動でした(昨年で終わりではなく、2026年度の活動に向けて、学生メンバーも増えています。)
引用文献
三菱UFJリサーチ&コンサルティング (2025). 環境省請負業務 令和6年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務 2024年版衣類のマテリアルフロー
衣類回収プロジェクトInstagram
https://www.instagram.com/iruikaishu_project.nanzan/

回収衣類写真(2025年11月2日総合政策学部25周年記念事業終了時)