教員コラム 総合政策学専攻
出藍の誉れあるいは後生畏るべし(総合政策学 水落 正明 教授)
2022年11月01日
12月に拙著「データ分析をマスターする12のレッスン(新版)」(有斐閣)が出ます。2017年に初版が出てから初めての改訂版の出版となります。比較的好評のようで、新版に至りましたのは望外の喜びです。そもそも、この本を出版しようと思い至ったのは、ゼミ生を指導する中で、授業内だけでは指導しきれない部分を、補完するテキストみたいなものが欲しいと考えたからでした。ですので、私としては自分のゼミ生(だけ)がきっちりと読んで理解してくれればいいな、くらいにしか考えていませんでした。蓋を開けてみれば、大学生以外の一般の人も、手にとっていただいたようでした。私自身、無関係な専門&サラリーマンからの経済学への参入ということで、わからなさの理解については自負がありますので、超初心者の視点で丁寧に解説したのが良かったのかと思います。そして、まずは体(手?)で覚え、後で頭で理解すればいい、というスタイルを貫いたのも良かったのかもしれません。
学部のゼミでも、体で覚えるデータ分析を実践しています。その成果として、これまで全国規模のインターゼミで入賞してきたほか、今年度から参加した総務省など共催の「統計データ分析コンペティション」では4チーム中3チームが受賞しました。基本的に、私のゼミは放任主義で、一定の到達目標と教材を提示した後は、自分達でなんとか理解し実践するというやり方です。今年は、やや難しめの到達目標(操作変数法と多重代入法)を提示しました。正直なところ無理だろうなあ、と思っていたのですが、学生は自分達なりに頑張ったようで、不十分ではありますが、それなりに理解し論文にまとめてきました。その意欲的な取り組みが今回の受賞につながったのだと思います。
受賞を喜ぶと同時に、自身の学生時代を振り返ると、ここまで一生懸命勉強しただろうかと、少し恥ずかしく思うところもあります。学生たちも、このまま努力し続ければ、私などあっという間に抜き去って、世のため人のために貢献できる「人財」になってくれることでしょう。若い人たちの努力と成長が嬉しい今日この頃です。