教員コラム 総合政策学専攻
2018年度総合政策学専攻主任 Potter, David 教授
2018年10月26日
総合政策学専攻所属の者で、専門は政治学です。総合政策学専攻は公共政策、国際政策、および環境政策の3つの研究枠組みに分かれています。総合政策学専攻には、現在、政治学、経済学、法学、社会学、地理学、経営学、宗教学といった研究分野を専門とする20名の教員がおります。そのうち、私の専門である政治学は国際政策と関係しており、現代日本とアジア太平洋の政策を中心に研究を行っています。
私の具体的な研究領域は、ODAとNGOに関連した開発援助です。博士論文は、日本のODA政策について書きました。通常、大学院生は研究を2、3年のスパンで考えますが、これまで自分の25年間のキャリアを振り返ると、1、2年間の研究プロジェクトだけでなく、5年や10年に及ぶプロジェクトが目立ちます。大学院で取り組んだ博士論文の研究は卒業後の本として出版するまでに10年かかりました。また、博士論文を作成する過程で関心を寄せ始めたNGOの研究や、学会で同僚との出会いから始まったメディアとODA政策に関する共同研究も10年間分の研究を蓄積する内容にまで発展しました。
この数年間は、短期的研究に取り組んできましたが、現在は次の10年間のプロジェクト計画を考えています。計画では、博士論文の研究テーマであったフィリピンとタイへの日本のODA政策に再度取り組もうと考えています。1990年代で終わった博士研究ですが、その後フィリピンとタイの経済が発展し、ODAとNGOを含む開発政策部門も2000年以降大きな変化が起きています。このようなフィリピンとタイの社会、経済における変化が、両国と日本の二国間ODAにどのような影響を及ぼしてきたか、現場の立場から分析しようと思っています。丁度、今年の4月からタイのODAに関する研究に取り組む院生が総合政策学専攻に入学したので、院生を指導しながら自分の研究を追求することを楽しみにしています。