教員コラム 経済学専攻
英語が苦手な私を救った禁断のツール、それは生成AI(経済学 相浦 洋志 教授)
2026年01月15日
私は英語が苦手であることは、2020年4月1日の教員コラムでも書いた。しかし最近、そんな私を大いに助けてくれる「禁断のツール」が現れた。それは、生成AIである。ここでは、私なりの生成AIの使い方をその注意点を含めていくつか紹介したい。
(1) 日本語への翻訳
これまでの翻訳ツールと違い、生成AIは英語を非常に自然な日本語に訳してくれる。ただし、注意も必要だ。直訳すると不自然になる部分は、自然な日本語にするため、前後の文脈を踏まえて大きく意訳されることがある。その結果、場合によっては一文まるごと訳から抜け落ちてしまうこともある。そのため、正確な理解が求められる箇所については、必ず元の英文と照らし合わせながら読む必要がある。それでも、英文の内容を大まかにつかむ目的であれば、従来の翻訳ツールよりも格段に効率よく読むことができる。
(2) 英文校正
2020年4月1日の教員コラムでも書いた通り、私は英語で論文を書く際、業者に依頼して英文校正をしてもらっている。生成AIは、この英文校正も非常に得意である。ただし、校正にはその分野に関する前提知識が必要となるため、それらをあらかじめ生成AIに入力しておくことが重要である。生成AIによる校正の大きな利点は、修正された英文について何度でも質問できる点にある。業者に校正を依頼した場合でも、修正内容に納得できず質問したくなることはよくある。ただし、そのやり取りは英語で行う必要があり、時間もかかるため、正直なところ面倒である。一方、生成AIであれば、日本語で質問しても問題なく、しかも瞬時に日本語で回答が返ってくる。納得できるまで何度でもやり取りができることは、大きな魅力である。
(3) 文法チェック
これは、英文だけでなく日本語の文章にも使えるテクニックである。例えば、直前の文の冒頭にある「これ」は代名詞で、「文法チェック」を指しているつもりで書いている。しかし、読み手によっては別の意味に受け取られる可能性がある。そこで生成AIに「この文章において、"これ"は何を指していますか?」と質問する。その答えが自分の想定と異なっていた場合、生成AI以外の読み手にも正しく伝わらない可能性が高いと判断できる。つまり、その代名詞の使い方は適切ではないということだ。また、"(2) 英文校正"には"一方"という接続詞が使われているが、これは前後の内容を対比する際に用いられる言葉である。本当にその用法として正しいかを生成AIに確認することで、接続詞の使い方が適切かどうかをチェックすることもできる。
このようにこのように、私は生成AIの恩恵を大いに受けている。しかし、あまりに頼りすぎるのは危険だとも常々感じている。例えば、部外秘の情報を含む内容については、生成AIを利用すべきではない。生成AIはあくまで自分の知識や理解を深めるための補助的なツールとして使うことが重要である。