教員コラム 経済学専攻
研究テーマを決めるということ(自力? 他力?)(経済学部 前林 紀孝 准教授)
2023年07月14日
南山大学に今年度より着任し、「コラムを書いてください」と依頼いただきましたが何を書けばよいのかなぁと思いながら、先生方のコラムを拝読しておりましたところ、総合政策学の山田哲也先生のコラム「研究テーマを決めるということ」に目が留まりました。
「コラムのテーマを決めること」ですら悩ましいのですらから、「研究テーマを決めるということ」は大学院生を含め、私たち教員にとなった研究者にとっても共通した悩みだと思います。山田先生のスタイルもあるだろうし、素朴に「皆さんどうしてるのか?」と思うのが本音ではないでしょうか?
100%すべて私のオリジナルという研究はなく、つまり、必ず何かの研究を土台として今日の研究は蓄積されているという意味で、研究には「他力」の部分があります。私の場合、あぁ、あの論文(本、ニュースなど)や、師匠、先生方、先輩、同僚に出会えていなかったらどうしていただろうという他力の部分が大いにあります。つまり、周りのお知恵を借りる、そして流行をも参考にさせていただく、経済学ではこれをざっくりと知識の外部性といいますが、それに身をゆだねます。((知識の)外部性は私の研究でもしばしば登場します。)このコラムも山田先生のテーマを参考にさせていただいております。
一方で、本腰を入れて1人できちんと手と鉛筆を使って丁寧に計算を追ったり、言わんとしていることを理解したり、整理したり、いろいろと拡張の方向性を考えたり、研究発表をして意見を徴収したりという「自力」の模索も頑張らなくてはと思いながら研究をしています。苦痛も当然に伴いますが、なんやかんやで楽しいと思うからやっていられているのかなと思います。