南山法友会 司法試験合格者の声
永田 新陽さん (2024年度合格)
2025年04月02日
私は、司法試験で合格するために一番重要なツールは過去問だと思っています。このことは、よく山登りに例えられますが、―どんな山に登るかによって、準備が変わる。雪山なら防寒具が必要だし岩山ならヘルメットが必要等―過去問を解いて、出題趣旨・採点実感や優秀答案を読んで、どんな問題が出て、どの程度難しさで、どんな解答を求めていて、実際どんな解答が評価されいているのかを知らないと勉強の方向性が定まりません。出来るだけ早い段階で過去問を解いて、どんな山かを知ることで、後の勉強が非常に効率的になり、無駄な勉強を省くことができました。
短答式は、同じ判例が多く使われていることや、肢が表現を変えて何回も使われていると感じました。そのため、短答式の勉強は、過去問を繰り返し解くことで大幅に得点がアップすると思います。その際、意識したのは、消去法で正解出来るかではなく、全肢の正誤を理由も含めて理解できているかどうかです。短答式を得点源に出来れば、論文で一科目ミスしてもカバーできるといった心の余裕にも繋がるので、たかが短答と思わず、最低でも150点は取りたいと考えて勉強しました。
論文試験は、インプットでは判例を理解することが一番重要であり、アウトプットでは、途中答案をしないことが一番重要だと感じました。司法試験は、判例中心主義です。判例をベースに判例の射程を問う問題や判例を意識した答案を求められることが多いです。その際、重要なのは、判例の結論ではなく、いかなる事実関係の下、どの事実に着目して、いかなる理由でその結論に至ったかをしっかり理解することです。そのため、私は、とにかく判例百選と重版を読み込みました。
論文試験は、100点中50点取れれば合格できます。これは、短答式を合格するだけの力があればそれほど難しくはありません。しかし、途中答案をすると、その難しさが跳ね上がります。70点中50点取るのは至難の業です。以前の私は、完璧な答案を目指していました。その結果50点になれば良いと考えていました。この考え方は途中答案になりやすいです。そこで、始めから5、60点くらいの答案を書くというイメージで答案に臨むようにしました。意識を変えるだけで、途中答案は大幅に改善されます。
今、司法試験は確実に合格しやすくなっています。この状況がいつまで続くかはわかりません。5年あると考えずに、絶対に次合格するんだという気持ちで頑張ってほしいです。