南山法友会 司法試験合格者の声
吉住 知晃さん (2023年度合格)
2024年05月07日
皆さんは、司法試験論文式試験の採点基準をご存じですか?答案は、「優秀」「良好」「一応の水準」「不良」の4段階で評価されます。
仮に、全科目で「一応の水準」としか評価されなければ、どうなると思いますか?実は、500位ぐらいで合格します。つまり、合格者の3分の2以上は、下から2番目以下の評価しか受けていないのです。
では、「一応の水準」とは、どのような状態を指すのでしょうか?採点実感では、「①基本事項の理解」と「②それを使いこなすこと」などと言及されています。前置きが長くなってしまいましたが、私は、①②が「合格のために要求される能力」であると措定し、これを身につけるため、以下の取り組みを行いました。
自習では、①を中心に修得し、授業では、①の確認と②の実践を行いました。例えば、授業の予習と並行して、全科目を薄く広く周回し、論点ではなく、その前提をなす体系・定義・要件・効果・趣旨などを頭に入れました。授業では、質疑応答を通じて①の達成度を確認し、課題を①から考えて解くことで②法的思考力の涵養を目指しました。
たしかに、最初は、面倒で時間もかかります。また、授業や定期試験のプレッシャーは大きく、「司法試験を後回しにしてでも、なんとか進級・修了だけはしたい」という考えに陥りがちです。乗り切るために、基本書を読み込まず課題の答え部分だけを探したり、てっとり早く論証パターンを丸暗記したくなる気持ちにもなります。しかし、これは一夜漬けを毎日しているようなもので頭に定着しませんし、次回は、忘れてしまった今回の分を含めた暗記が必要となってしまいます。
以上のように、私は、自習及び授業を司法試験対策に直結させることを企図した取り組みをしていたので、試験は、その延長線上のものとして無事、通過できました。在学中受験制度導入の年で、利用者も南山大学では私1人で不安だったのですが、合格者第1号となることができてよかったです。
司法試験の勉強は、自分に合った取り組みをみつけると、成長を実感でき、なにより楽しく努力できます。皆さんには、楽しく努力できる取り組みを行っていただきたく、その一助として、私の経験が参考になれば幸いです。