南山法友会 司法試験合格者の声
日比野 わか葉さん (2022年度合格)
2023年04月10日
私は、大学卒業後、2015年に南山大学法科大学院未修コースへ進学しました。休学や留年を経て、未修コースを6年かけて修了しました。
南山大学法科大学院で、特に印象に残っているカリキュラムは、2年次に開講されているエクスターンシップです。エクスターンシップは、実際に法律事務所で2週間、実務家の先生の間近で弁護士の仕事を見ることができる大変貴重な機会です。アルバイト等の経験上、労働者側に肩入れをして労働法問題を考える癖のあった私にとって、使用者側の視点からの労働問題を考える機会は非常に新鮮で、感銘を受けました。
司法試験自体は、1回目で合格できず、2回目の受験をしました。在学中は授業についていくことと出席要件を満たすことに精一杯で、1回目の受験期は無事修了すること、短答試験を突破することが一大目標という状態でした。また、修了時点でどの科目も自信がなかったため、修了後からは、比較的出題傾向が決まっていて早めの習得が期待できそうな行政法と刑事訴訟法に狙いを定めて勉強していました。
ギリギリの点数でも、短答試験はなんとか合格できていたため、論文式試験の成績を見ることができ、刑事訴訟法と行政法は狙い通り良い評価を得ることができていたため、2回目の受験に向けて希望を持ちました。他方で、苦手意識の強い民事系は目も当てられない状態だったため、ここに克服すべき課題があると考えました。
特に、会社法が5段階評価のうち最低評価でした。会社法は、刑事訴訟法、行政法と同様、受験生が苦手意識を持ちやすく、かつ出題分野に偏りがある科目であると感じたので、集中して取り組むことで確実に評価を上げることができると考えました。苦手意識が強いため、とにかく簡単で薄い本を探し、それだけをやると決めました。その結果、2回目の受験ではA評価を取ることができました。
また、1回目の経験から、直前期は精神的に辛く集中力が落ちることがわかっていたので、直前期用に眺めるためのまとめノートを準備しました。受験期は孤独で様々なことで不安になることが多かったので、自覚できる不安を打ち消すためにできることをしました。特に、手帳に自分が勉強した科目を記録するのが良かったと思います。体調不良で勉強できない日があっても、手帳を見返せば、数ヶ月という単位で勉強していると実感できて精神の安定に繋がりました。
最終的に、苦手な短答の成績は期待したほど伸びず、昨年良い評価を得た科目も今年はそこまで伸びませんでした。しかし、伸ばすと決めた会社法では最高評価を得ることができたこと、直前期に勉強から逃げ出さなかったこと、毎日短い時間であっても勉強時間を0にしないこと等が合格に結びついたと思います。