南山法友会 司法試験合格者の声
伊藤 裕基さん (2021年度合格)
2022年05月12日
南山大学法科大学院では、司法試験に必要である法律科目の学習における基礎や、将来法曹で必要となる素養を学ぶことができます。私はここで、在学中及び卒業後の司法試験に向けての学習を進めていくうえでの下地となるものを学び、作り上げたと思っています。
司法試験においては、司法試験に対する自分に合った勉強方法を早く見つけ、継続していくことが合格に早く近づく道だと思います。私自身、5回目の受験での合格であり、試行錯誤を繰り返し、4回目の受験の直前期になってようやく自分に合う勉強方法を確立できました。そこで、参考程度ではありますが、私の勉強方法を紹介します。
まず、短答式についてです。私は、最初、知識を頭に入れるインプットの方法で勉強していましたが、2回目の受験までは短答式のボーダーラインを越えることができませんでした。そこで、過去問の問題を何度も繰り返し、アウトプットをする中で知識をインプットしていく方法に切り替えました。これにより、ボーダーラインをきっちり越えられるようになりました。短答式においてはどんな方法でも論文式に比べ、より根気強く繰り返すことが必要であると思います。
次に、論文式についてです。私は在学中の友人と自主ゼミ等を含め、卒業後も過去問を起案する方法で対策をしていました。この方法により、論文答案を書くにあたっての時間感覚や形式面等の基本的なことを固めることはできましたが、成績としては大きく伸びませんでした。そこで、効率的に合格答案のエッセンスを学んで、自分のものにするためにはどうすればいいかを考え、時間を計ってスピードを意識しつつ、答案の中身を理解するように、合格者答案や模範答案を写経することをはじめました。合格答案は読んでいて、滞りなく最後まで読み進めることができるものであるため、合格答案の流れや三段論法、事実の引用や評価の仕方等、答案の型、形式を真似て、そのエッセンスを自分のものにして、自分が答案を書く際に使いこなせるようにすることを目的としました。これに加え、自分の弱点であった規範部分の不安定さを解消すべく、一元化教材を利用した規範のインプットをよりしっかりと行うことで、論文式の点数が大きく伸び、合格までいたりました。
司法試験の勉強ではときに粘り強く継続すること、ときに潔く柔軟に勉強方法を切り替えていくこと、両面必要だと思います。試行錯誤する中で、自分の勉強方法を確立していって、合格を掴み取ってください。少しでも参考になれば幸いです。