南山法友会 司法試験合格者の声
安藤 智明さん (2020年度合格)
2021年04月13日
私は南山大学法学部を卒業後,同大学院に入学しました。入学当初は,研究室で朝から晩まで自習をして家に帰る生活を送っていましたが,徐々にその生活が辛くなり,授業後にすぐ帰宅して家で勉強するというスタイルに変更しました。家までの移動時間を挟むことで,今日やったことを電車の中で思い出したりするなど,勉強のメリハリがついて良かったと思っています。大学院の授業は,予習前提で進み,質問されることもかなり多いので,毎日の予習がとても大変でした。しかし予習にばかり追われていると,「司法試験の対策」が疎かになりがちです。司法試験では基礎基本の習得が重要で,難解な事柄が聞かれることはほぼありません。「授業のための予習」という視点でしか勉強できていないと,知識に穴ができたり,体系的にその法律が理解できていないという事態が起こってしまいます。ですので,夏休みなどの長期休暇を使って法律のおさらいをしておくのが良いと思います。また,分からない事があったときはすぐに先生に質問しに行きました。研究室に突撃することもたくさんありましたが,どの先生も親身になって考えていただき,非常に助かりました。
試験の結果は1,2回目ともに不合格でした。翻って今までの試験を考えてみると,論点に気づいた所は答案の書き方に問題もなくしっかりと点数が付いているけれども,(みんなはある程度書けているのに自分だけ)苦手分野が出たので書けなかった,ということが共通して起こっていました。つまり,あと少しで合格ラインなのに,「運要素」に任せてしまっている所があるため,運に見放されると合格ラインには到達できない,そういう状況であると分析しました。そこで全科目,「基礎基本の理解の習得」,「運要素を極力排除する」というテーマを掲げて勉強しました。具体的には,①論文の過去問を通した基礎基本の理解,②上位答案による事実認定の研究,③1冊の問題集を使用しての,広く浅い論点の理解,④以上から学んだ答案に書くべきことをまとめノートに書きこんで一元化して記憶する,といったことです。その結果,3回目にして合格することができました。
司法試験に合格することは,合格率からすると難しくないようにも思えますが,これは法科大学院や予備試験を突破し,さらに死ぬ気で勉強してきた人たちの中から選ばれた数字であり,数字以上に1発で合格することは困難です。ですが,自分に適した勉強方法を見つけて,諦めずに挑戦し続ければ絶対に合格することができる試験だと思います。