南山大学 国際教養学部 Faculty of Global Liberal Studies

輝け!南山GLS キャリアの取り組み 卒業生の声

【卒業生の声】2021年3月卒業 M.B.さん

2022.11.25

【回答してくれた人】2021年3月卒業 M.B.さん

今のお仕事は何ですか?

 都市と不動産における環境認証コンサルタント

その仕事を選んだきっかけは何ですか?

 二年生のASUプログラム参加時にグリーンビルディングに関する講義を受けたことで、グリーンビルディングに興味を抱く。その後キャリアデザインの授業にて森山学科長(当時)の紹介で現在所属している会社の創設者の一人がレクチャーを行い、日本国内でグリーンビルディングの普及に努めていることを知りその仕事に興味を持った。その後、都市開発、デヴェロッパー、ハウスメーカー、行政など様々な分野からグリーンビルや持続可能な都市開発などの仕事に携われるよう就活を行うも、深く携わることが出来る企業は日本ではまだ普及しておらず、都市や不動産における環境認証制度のコンサルタント業務を行う現社に入社を決める。

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現在の仕事の魅力や面白さ、また心掛けていることは何ですか?反対に苦労していることは何ですか?

 この仕事の面白さは何と言っても日本国内で蔓延しているなんちゃってSDGs取り組み企業を淘汰できること。ここ数年で大企業を中心にSDGsへの取り組みを加速させているが、実際に行っているのは紙ストローの導入やゴミを少し分別する程度。加えて、環境にばかりフォーカスしがちで17のゴールの内一部しか見ておらずSDGsの本質を見落としている。結果として日本国内ではSDGsを懐疑的に見る人が多くなり「うさんくさい」、「意識高い系」と揶揄される対象となっている。私はこのような企業の取り組みを正面から切り付け、実際に気候変動、環境問題対策に効果がある手法や環境認証制度を企業側に導入、コンサルすることで本当の企業の社会的責任を果たさせるという意気込みを持って取り組んでいる。

 苦労した点は日本国内ではこの仕事はまだまだニッチであるがゆえに、業界としても会社としても常に人員不足であり常日頃から自発的に成長と勉強が求められること。

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学生時代はどのゼミに所属していましたか?その魅力はどんなところでしたか?

 篭橋教授の経済環境学のゼミ。魅力としては、環境と経済は昔から切っても切り離せない関係にあり、現在では環境保全と経済成長を同時進行で行うことが大前提となっている。しかし多くの企業や個人では未だに「江戸時代の暮らしに戻ってまで環境保全しろというのか?」と見当違いな意見を出す方も多い。環境経済学では世間一般的に矛盾していると思われるその点に切り込んでいき解決策や妥協点を見つけるカギになる知識をつけられる学問であるところ。

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学生時代に打ち込んでいたことは何ですか?

 学生時代にはハンセン病の啓発活動を国内外で行っており深く取り組みました。何度も言われてはいましたが、社会人になると時間がとりにくいもので、当時関係を築けた方、療養者の方とも会える機会が激減しましたが、それでも学生時代だけで終わらせるというには、あまりにも悲惨な歴史と現状を目の当たりにしたので、そのショックを糧に活動への参加とサポートは可能な限り続けていきたいと考えている。

最後に在学生へのメッセージをお願いします。国際教養学部で学んだことで影響があればそれも含めて書いてください。

 国際教養学部での学びにおいて、コアな要素であるこのSDGsのアイデアをベースとする、政策、団体、企業の決定は非常に賛否の分かれるものが多く私自身もあまりにも特定の国、団体、組織が有利、不利になるような偏った政策を目にしてきました。それがどれだけ素晴らしい政策や決定に見えても決して妄信しないこと。それは間違っていると声を上げることが大切です。この環境問題、社会問題、人種問題、戦争などカオスな世の中を生きて、恩恵も被害も受けるのは私たち若い世代です。本当に世界のため、日本のため、自分のためには何がベストな選択肢なのかを見つけ出し、必要な時に声を上げられるよう基礎知識と教養を身に着けることが大切です。

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