南山大学 国際教養学部 Faculty of Global Liberal Studies

輝け!南山GLS キャリアの取り組み 大学院進学

【南山大学 大学院】2019生 堤 翔太 さん

2024.07.15

【回答してくれた人】堤 翔太 さん

【進学先】南山大学 大学院 社会科学研究科 総合政策学専攻 博士前期課程

  1. この大学院を志望した理由
 ①研究科/専攻の授業カリキュラムと②指導教員(研究に関わるアドバイスや指導をしてくださる先生)とのマッチング、そして③経済的理由の3点が挙げられます。

①研究科/専攻の授業カリキュラム

そもそもの院進学の理由は、国際教養学部での卒論研究で取り組んだ食品ロス削減の研究をさらに修士論文に発展させたい、と思ったことでした。そのため、このテーマに関わる環境学、社会学、心理学、倫理学あたりの授業が受けられること、アンケート調査に関する分析演習の授業があることを希望していました。こうした点がこの研究科を選ぶポイントの一つとなりました。

②指導教員とのマッチング

先輩からのアドバイスも踏まえて、先生方の学術的関心とフィーリングが僕と合っているかどうかを見て、院試前に今の指導教員を決めました。

 (※この大学院では、研究指導を担当して下さる指導教員を2人選ぶことができます。)

学術領域については、先生との面談や、先生の出している本や論文を参考にして自分のテーマと被ってくる側面を明らかにしました。その結果、環境社会心理学に立脚する生産と消費のつながりを明らかにする取り組みとしてのテーマが成立しました。

 フィーリングについて、先生の授業や授業外での取り組みに参加して、それぞれの先生は相談しやすいかどうかを確かめていました。結果的にはどちらの先生とも、気軽に相談や質問ができて、真剣に話し合うときはきちんと議論する環境を作ると共に、適宜参考文献も提供をしていただけています。

③経済的理由

南山大学には、南山大学の卒業生などに対する「南山大学大学院 入学者奨学金」*という制度があり、それを使って入学金相当分が入学後に給付されました(20234月入学当時で30万円)。外部大学の進学も検討しましたが、少しでもコストを下げるために内部進学を選びました。

*...南山大学, 「大学院 奨学金『学内奨学金』」

https://www.nanzan-u.ac.jp/grad/syogaku.html

  1. 大学院で深めたい研究内容

 現在同研究科にて環境社会心理学の側面から「食の背景情報を用いた食品ロス意識と行動変化に関する研究」を行っています。食の背景情報とは、ある料理や食材が作られた過程に関する諸情報(生産地、栽培方法、調理過程、作り手のこだわりや思い、輸送方法など)を指します。

僕の研究では、飲食店を実験場所として、動物の命や作り手(一次生産者や調理者)の努力の存在をメニューやポスターで伝える状況と伝えない状況を作ります。それぞれの場合において、消費者の食品ロスに対する意識や行動にどのような違いが生まれるのかをアンケートと食べ残し量の計測から明らかにします。

  1. 大学院試験に合格するため、何をいつから準備したか。

4年生の時に意識してやっていたことに加え、学部生時代に色々な目的で先行投資して取り組んでいたことが個人的には合格する上では大事な準備だった、と思っています。

①卒論/修論に関連するトピックの基礎勉強、大学院自体の基礎的理解 (1年生~3年生)

実は1年生の頃から授業課題や成果物を卒論のテーマにしたいトピック(僕の場合は食品ロス)に少しずつ寄せて書いていたことで授業ノルマを達成させるとともに、知識を取り込むことにもつながりました。当時は卒論のテーマを考えるのみの目的でやっていたことでしたが、振り返ってみると結構役に立った、と思います。

 また、2年生あたりから大学院の経験者に個人的にインタビュー(15人くらい?)して院進の理由から卒業後を聞いて回り、大学院の環境や、受験に必要な情報や進学する上での心構えを学びました。

②研究に必要な英語の勉強 (4年生春~)

 僕の研究テーマ上、海外論文でないと明らかにできないことも多かったので、英語論文を定期的に読んでいました。また、研究テーマとの関連性が深い論文については、著者にメールを送って論文の理解を深められるようにしていました。(学部での英語の授業で習った英語表現や文章構造も結構役に立ちました。)

 結果として、卒論提出まででえられた国内外の知見をまとめることで院試に必要な研究計画書(どのような先行研究を踏まえて2年間の修論研究をしていくのかをまとめる書類)を作成させました。

③大学院の指導教員とのコミュニケーション(4年生春~)

大学院でお世話になりたい先生とはなるべく対面で会って面談をする、面談を受けていた先生のゼミ活動に参加させていただくなどをして、先生との交流や自分の関心を伝えられる機会を多くとれるようにしていました。

④卒論と修論の線引き (4年生秋~冬)

卒論執筆の後半にならないと分からないことではありますが、どこまでを卒論で実施して、どこまでを伸びしろとして修論のテーマとして扱うのか、またのその意義はどこにあるのかを院試で伝えられるようにしました。

例えば僕の場合ですが、卒論では食品ロスの現状や研究事例を政府資料や先行文献からまとめ、Google Formsを使って疑似的に食の背景情報の影響を計測しました。今回の修論では、食品ロスの概況と国内外の先行研究のアップデートと、実店舗で情報提示の影響を確かめる実験をするという点で卒論からの発展をさせています。

  1. 大学院進学を目指す後輩にメッセージをお願いします。

個人的には、「知識の集積を実感する、あるいは参加する事」に大学で学ぶ意味があると思っています。「自分の知識」が増えることに加え、社会が知らなかった(やってこなかった)ことを自分達で明らかにして「社会の知識」を増やすことも大学ではできます。

ただし、社会が知らなかった(やってこなかった)ことに取り組むので、取り組み初めにしても、途中にしても「本当にこんなことする意味あるのか?」と思う(思われる)シーンが多々あると思います。でも、そこをいかにして自分のテーマをバカ正直にでも信じていられるかどうかが、割と大事です(もちろん情報更新も大事ですが)。色々資料を探ったり調査したりと、いかに研究テーマに活路があるのかを探り続けることが学ぶ面白さだったりします。そして、そこで新しいことが見いだせると、なお面白いです。

そう考えると、大学院進学は、「社会の知識」を蓄えるというところから"Be a visionary(=「たとえ今は周りに理解されなくても、より良い社会・世界にしていくための道標を示せる人間」*)"へ向かう一つの道なのだと僕は思います。

あなたも、なってみませんか?

*...国際教養学部公式Facebook,202244,GLS News」より引用

https://m.facebook.com/photo.php?fbid=1616020848766666&vanity=NanzanGLS&slug=a.309908129377951

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