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ドイツ語翻訳法

科目名 ドイツ語翻訳法
担当教員 齋藤 敬之
シラバス 2025年度:こちらをご覧ください。
日時 2025年度:第3クォーター(9月~1月)全14回

授業概要

学術的な文章を読み、文章の構造や論理展開を把握するトレーニングを重ねます。そのうえで、専門用語や背景に関する知識も用いながら、適切に和訳する能力の向上を目指します。

授業は各受講生の予習を前提に進めます。

授業の内容

ドイツの歴史や社会、文化などさまざまなテーマを取り上げ、テキストをとにかくじっくり読みます。主述関係や代名詞の把握、省略や語順の解釈など、さまざまな文法知識を駆使するとともに、文章の構造や筆者の意図をもつかんだうえで、文意を理解することを要求しています。同時に、本文での語句の使い方や文脈、さらにはドイツ語と日本語の違いにも注意して、どのような訳文なら適切かつ分かりやすいかという点も検討します。

2023年度からは、DeepLなどの機械翻訳も授業に取り入れ、受講生や教員が用意した訳文との比較を通じて、機械翻訳を利用するメリット・デメリットについても検討しました。

取り上げたことのあるテーマ

  • ドイツの歴史で有名な人物
  • ドイツ語の歴史
  • ドイツ語圏の国々における「多言語性」
  • 原子力エネルギー事情
  • 作家などによるエッセイ
  • ドイツ連邦大統領の演説

学生の感想・コメント

  • この授業では様々な題の文章から大統領の演説まで広範囲のドイツ語の文章を扱いながら翻訳を勉強していくのでとても面白かったという印象を受けました。今までならっていても実際のドイツ語の文章をもちいているので、この場合はこんな意味になるんだと毎回新しい気づきを得ることが出来ました。更に機械翻訳に対する意見をクラスメイトと交換することでAIをどのように用いるべきかについても学ぶことが出来、この授業を履修して良かったと思いました。
  • 予習で自分の訳文を準備していると、授業を重ねるにつれてドイツ語が上手になっていくのが実感できるのがうれしかったです。授業で扱うドイツ語の文章を通して、ドイツについての様々なテーマを知ることが出来るのもよかったです。また機械翻訳についてじっくり考えることが出来て、勉強になりました。機械翻訳は有用ですが、しっかり自分で訳を作れることが大切だと思いました。
  • 演説やベルリンについての幅広いテーマの文献だったので、それぞれの文献の特徴を翻訳に投影させることが難しいと感じました。しかし、機械翻訳と授業を通してつくりあげた翻訳とでは全然違ったものになると感じました。文章をただ訳すのではなく、物語の背景をも配慮することが翻訳なのだと感じました。機械翻訳がただ悪いのではなく、どうやって関わっていくのか、機械の得意なこと、人間だから得意なこと使い分けていくこともこれから先大事なのかなと感じました。
  • これから特に学生の間は必ず付き合っていく、自身と機械翻訳との比較でどうニュアンスを紐解くかの練習がとても大切になっていくことを気付きました。この授業で使用した資料をも用いながら行っていきたいです。
  • 機械翻訳がいろいろなところで用いられるようになった昨今、機械翻訳と自分で訳した文章や先生が訳した文章を比較する授業は新鮮で面白いなと思い、履修させていただきました。エッセイや都市の紹介文、大統領の演説などを訳し、機械翻訳と比較していく中で、文章に対する背景を調べることの重要さや対比表現を日本語に落とし込む際にどのようなことに注意して訳すべきか、代名詞など抽象的な表現で表される名詞は何を示すのかなど自分で文を翻訳する際に気を付けるべき点を知ることができました。
  • 授業では、作家によるテクストや大統領による演説など、多様なドイツ語の表現に触れることができて興味深かったです。原文に沿った分かりやすい訳文を作るにあたって、単に意味を把握するだけでなく、筆者や話者の意図をくみ取った表現を訳文に反映させる重要性を学びました。予習の段階から時間をかけてドイツ語の文章に向き合うことで、外国語の長文を的確に翻訳する大変さと達成感を知りました。
  • はじめて出てきた単語や難しい用法の文法が多く、翻訳ツールや辞書を使用しながら訳を考えていたので予習に時間がかかった。そのためより多くの出てきた単語を吸収できたと思う。また正解の訳をただ学ぶのではなく、自分の考えてきた訳を先生や他の受講生の訳と比べるということが新鮮だった。
  • この授業では難しい文章を読むため、辞書や機械翻訳、chatGPTを参考にしながら自分で訳を完成させていくという手順で予習を進めました。普段便利なため何気なく利用する機械翻訳ですが、機械翻訳を用いない日本語訳と比べると、指示語の内容が明確化されていなかったり、直訳的な訳が多かったりするなど欠点も見られたため、機械翻訳を参考にしながら、文脈に合わせた語句の意味や訳を見極める必要があることを実感しました。

担当教員のコメント

この授業では、単に辞書や機械翻訳を使って訳文を作って終わりとせずに、本文の性質や文脈、訳語の選択の意図などいろいろな点に頭を使ってもらうようにしています。その分、受講生と教員が用意した訳文で違いがあった時にどちらがより適切かといった点で考えさせられ、受講生の訳文の方がよく仕上がっていると思うことも少なくありません。

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