学科イベント 講演会・ワークショップ
ドイツ学科、ヨーロッパ研究センター主催講演会「無伴奏ヴァイオリンの表現可能性-J. S. バッハ作品との取り組みを例に-」
2024年07月17日
2024年7月9日に、ドイツ学科とヨーロッパ研究センターの共同主催により、実演つき講演会「無伴奏ヴァイオリンの表現可能性〜J. S. バッハ作品との取り組みを例に〜」を開催しました。
講師は、ヴァイオリニストの廣瀬心香さんです。廣瀬さんは、ドイツ留学および現地のオーケストラでの勤務を経て、現在は日本を拠点に、ソロや室内楽の分野で質の高い活動を展開されています。
「無伴奏ヴァイオリン」をテーマとしたこの日の講演では、ヴァイオリニストとしての経験と実感に裏付けられたさまざまなお話に加え、J. S. バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より《シャコンヌ》、イザイの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番第1楽章、バルトークの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2楽章が演奏されました。その他にも、ビーバーの《ロザリオ・ソナタ》や、《シャコンヌ》以外のJ. S. バッハによる無伴奏ヴァイオリンのための楽章など、さまざまな無伴奏ヴァイオリンのためのレパートリーが抜粋で数多く実演されました。2本の弦で同じ音を出して音を立体的(多声的)に浮かび上がらせる技法や特殊奏法などについても、わかりやすい説明がありました。
学生たちは、ヴァイオリンの色鮮やかな響きを間近に感じながら、無伴奏ヴァイオリンのための作品を手がける作曲家たちにとってバッハの影響が逃れ難いものであったこと、構造上シンプルな楽器であるが故の制約の多さが作曲家たちの想像力を刺激してきたこと、結果としてこの分野には豊かなレパートリーが存在していることを理解したようでした。講演後に提出された感想には、ヴァイオリンという楽器のポテンシャルに驚いたという声や、自ら演奏会に足を運んでみたいと思ったという声などがありました。
一挺のヴァイオリンから紡ぎ出される壮大な世界に皆で耳を傾ける貴重な機会となりました。
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