学科イベント 講演会・ワークショップ
学科主催講演会「コンクリート・ポエトリーのドイツ語授業への導入:文学および外国語教育学の視点から」アンドレアス・ヴィストフ氏(中国人民大学)
2019年11月14日
10月25日(金)に、ドイツ学科主催による講演会が開催されました。今回講演者としてお呼びしたのは、中国人民大学外国語学院ドイツ語系学科准教授のアンドレアス・ヴィストフ(Andreas Wistoff)先生です。近現代ドイツ文学(古典派・ロマン派の文学、20世紀以降の文学、亡命文学など)をご専門とされる研究者で、大学で教鞭をとられる傍ら、北京ドイツ連邦共和国大使館文化部とドイツ学術交流会とが共同運営するドイツ留学者新組織「学術審査部(APS)」の審査員や、TestDaFの広東省内責任者を兼任されるなど、幅広くご活躍されている先生です。
講演のテーマ「コンクリート・ポエトリーのドイツ語授業への導入:文学および外国語教育学の視点から」のもと、ドイツ語授業にも導入しやすい詩について紹介いただきました。コンクリート・ポエトリーは1950年代〜1980年代に現れたもので、それ以前の前衛芸術運動の影響も受けながら成立した比較的新しい詩のジャンルです。詩によって語られることばの意味よりも、文字の視覚的要素や音の響きも表現の一部として作られるため、形式や形態などに個々の特徴がみられます。
講演では、オーストリアの詩人エルンスト・ヤンドル(1925-2000)のいくつかの作品を中心に紹介されました。作品の解釈は学生にとっても教員にとっても大変興味深いものばかりで、ドイツ語という言語を多面的に使用した表現の世界から、ドイツ語やドイツ文学を学ぶ上で視座を広げることができる講演でした。