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【卒業生の声】「国際的なリーディングカンパニー」で働くということ
2023年02月07日
在学生の皆さんは、国際的な会社はどこかと尋ねられたら、どんな会社を思い浮かべるでしょうか。自動車・医療・インフラ・商社など、様々な声が聞こえてきそうです。正解などありませんが、現在私が勤めているDHLという会社こそが「国際的なリーディングカンパニー」であると実感しています。
少しDHLという会社の説明をしましょう。DHLは世界初の航空エクスプレス業として、1969年にアメリカで創業しました。その三年後の1972年には、日本でのサービスも開始しました。1998年には既に大株主だったDeutsche Postが追加で株式を購入し、完全子会社化しました。その後も事業拡大が続き、今では220以上の国と地域でお客様の国際ビジネスをお手伝いしています。ちなみに、ドイツ人にも驚かれますが、DHLのDは「ドイツ」ではなく、創業者(Dalsey, Hillblom, Lynn) の頭文字なのです。
話を戻しますが、そんなDHLと私の出会いは、2016年にWürzburgに留学をしていた時でした。現地のワイナリーで買い込んだドイツワインやお土産などをDHLで日本に送ったのですが、二日後には到着しているというスピードに驚愕しました。そのことがきっかけで就職活動の際には、採用面接を受けてみることにしました。当時、就活生の私は「日本とドイツの架け橋になる仕事」を探しており、物流企業には全くと言っていいほど興味がありませんでした。しかし、企業研究を進めるうちに、DHLという会社の規模や物流を通じた大きな社会貢献度に惹かれていきました。「日本とドイツの架け橋どころか、日本と世界220以上の国と地域の架け橋になれる」「業界シェアを50%以上も占める企業だからこそ、担う責任も大きく、他社ではできない様な物流を通じた社会貢献ができる」という想いが私をワクワクさせました。
そして、現在の私はDHLの営業マンとして、名古屋市内の約180社のお客様を担当しています。以前は東京の千代田区や新宿区なども担当していました。私のお客様は、自動車・医療・インフラ・商社など多岐にわたります。DHLの営業はコンサル営業の要素が強く、如何にお客様のビジネス状況や課題を理解し、最適な物流手段をご提案できるかが肝となります。そのためには多種多様な業界知識と各国の情勢や通関事情などに精通していなければならず、まるで毎日世界中を駆け巡っているかのような感覚になることもしばしばです。為替変動や地域紛争などの世界情勢と国際物流は密接に関係しており、国際物流を見ると世界情勢の変動が見て取れるのもこの仕事の醍醐味と言えます。また、コロナワクチンの輸送や2050年までにCO2排出ゼロを目指しEV車両や電気飛行機の導入を進めるなど、物流業界のリーディングカンパニーとして率先した社会貢献ができていることに一社員として誇りも感じています。
現状はドイツ語をメインで活かす仕事ではありませんが、南山大学ドイツ学科で培った国際的な視野や留学などで築いた人脈は仕事以外の場所でも大いに役立っています。私は仕事プラスαとして日独交流活動にも従事しており、名古屋日独協会の運営委員も務めております。ドイツ関連イベントの企画運営に携わるなどの活動実績を評価して頂き、ドイツ大使館主催のパーティーに招待されました。二度目に参加した際には、コロナ禍でも一度も物流ネットワークを止める事の無かったDHLの活動実績に興味を示された当時のイナ・レーペル駐日ドイツ大使のDHL施設訪問を社内調整し、実現させることができました。
ドイツ語を活かせる機会は、仕事のみに限りません。ドイツ学科の学生として就職活動をしていると、どうしても「ドイツ・ドイツ!」と選択肢を狭めてしまいがちですが、世界はもっと広く、そして意外なところでドイツと繋がっていたりします。これから就職活動を経て社会に羽ばたいていく学生の皆さんには、是非世の中を俯瞰的に捉え、可能性を絞らず、そして、いつまでもドイツを好きでいて欲しいと切に思っています。この場をお借りして、皆さんの就職活動の成功と国際社会でのご活躍をお祈り申し上げます。
赤沼 大樹(2018年度卒)
大使館でのパーティーに招待されたときに、イナ・レーペル(前)駐日ドイツ大使と