南山大学 外国語学部 スペイン・ラテンアメリカ学科

在学生・卒業生の声 留学体験談

【交換留学】Instituto Tecnológico Autónomo de México(メキシコ自治工科大学)(メキシコ)

2021.04.01

Yamada_Kyosuke-san_01.JPG

(メキシコ テオティワカン Teotihuacan のピラミッドの上で)

山田 恭介さん(2014年度入学)
期間:2016年8月~2017年6月 約10ヵ月間

なぜ僕が留学しようと思ったのか、それは机以外での勉強がしたかったからです。教科書や本に載っているその写真の場所に行ってみたい、勉強してきたスペイン語を実際に使って生活してみたい、そんな「実際に経験する」という学習の魅力に惹かれ、思い切って地球の裏側まで飛び出してきました。

メキシコの地で頑張れたことは主に2つあります。1つ目は大学の授業です。交換留学なので、スペイン語を学ぶのではなく、スペイン語でメキシコ人と同じ授業を受けてきました。日本での授業は先生の話を聞くのがメインだと思いますが、メキシコでは生徒同士のディスカッションやグループでプレゼンを行うというのが主なものでした。しかし、僕はスペイン語以外の学問にほとんど知識がなく、さらにそのスペイン語すら理解できずにいたので、劣等感を感じながら授業中は黙って座っていることしかできませんでした。ある日、友達に「発言しろよ!」と責められたことがありました。「どう思うか言ってみて。」と言われても、「...分からない。」しか言うことしかできず、自分が情けなく、悔しい思いをしました。今までは答えを言えば丸がもらえていましたが、自分自身の意見を言うことが評価される世界に飛び込んだことで、語学力だけでなく、自分の知識の無さ、考える意識の低さ、発信力の弱さを思い知らされました。それからまず知識を増やそうと、ネットで日本語の文献を探したりあらゆる手段を使って自分なりの予習をしました。週に1回友達にお願いをして勉強を教えてもらったりもしました。すると少しずつ授業が理解できるようになり、全体で2度発言することができました。最後のテストも何とか合格できましたが、何より自分が成長できる機会をくれた、そんな授業を経験できたと思います。

2つ目に頑張れたことは現地の小中学校で経験した先生の仕事です。5か月間、メキシコ人の小中学生を相手に、「日本語」と「日本文化」の授業のサポートをしました。日本について話してほしいと先生に頼まれることがあり、授業の約7分間をもらってプレゼンをしました。日本にもっと関心を持ってもらいたいと思い、プレゼンの準備に力を入れました。授業理解が深まるように、テーマは教科書の内容に合わせました。楽しく学ぶのが一番だと思い、難しい内容でも理解できるようにクイズ形式にしたり、日本語の勉強にもなるように日本文を斉唱するなどの工夫もしました。質問されても困らないようにスペイン語単語や情報収集も欠かさず行いました。実際に先生の仕事をしてみると、たった7分間の授業をしようとしても準備の時間はその20倍かかって、想像以上に大変でした。そしてプレゼンを繰り返していくと、人に伝えるためには相手を理解すること、その上で適切な伝え方を考えることが重要だなと気づきました。スペイン語で教えるという立場からも多くのことを吸収できたと思います。そして何より、かわいい子供たちとつくれた思い出は大切な宝物です!

留学を通して、日本ではできなかったことを経験できました。メキシコに暮らしたことで、日本との違いに気づくことができました。そこから、日本の良さ、メキシコの良さ、自分のいいところ、悪いところに気づくこともできました。日本人としての自覚も強くなり、日本がどうあるべきかを考えるようにもなりました。そんな風に思わせてくれた、自分を成長させてくれた留学ができてよかったし、挑戦して本当によかったなと思いました。

Yamada_Kyosuke-san_03.JPG

↑ グアナフアト Guanajuato の町並み

Yamada_Kyosuke-san_02.JPG

↑ カリブ海の風景

ページトップへ