中国(2018年度)
高校生・在学生へ伝えたい体験談
留学先が第二の故郷のように大切な場所
氏名 | 彦坂 仁菜(2015年度入学) |
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留学の区分 | 国費留学 |
留学先 | 中国青海省、青海民族大学(2017年9月~2018年8月) |
留学前
私は 、中学生の頃「中学生中国派遣団」の一員として友好都市へ訪中しました。当時は日中間が緊張関係 にあったにも関わらず、中国の家庭で大変心温まる体験をしました。その時の経験が忘れられず、 大学では絶対に中国語を専攻して留学しようと心に決めていました。大学2年生の時に南山大学が募集していた、中国青海省で開催される日本文化交流会に参加したことを通して、少数民族が混住するこの場所に惹かれ、留学先として選びました。
留学中
青海省はチベット族、モンゴル族、回族などの様々な少数民族が混住する地域で、まさに多文化共生の社会です。 市内にはチベット仏教のお寺やイスラム教のモスクが建てられ、お坊さんやイスラム教徒の方たちが街に溢れていて 、 毎日の生活が本当に新鮮でした。
私は留学中、中国のお茶文化に大変興味をもち、授業後や週末など時間さえあれば市内中のお茶屋さん巡りを楽しんでいました。 お茶を一緒に飲みながらみんなと時間を共有することに価値がおかれかれる中国のお茶文化は魅力にあふれ、私にとってお茶屋さんはまさに中国語の実践的な練習場でした。
お茶文化 を学ぶために「中国茶芸培訓班」に通ったりもしましたが、さすが青海省! 先生が回族、生徒は漢族、回族、チ ベット族、雲南省大理の彝族まで様々でした。その縁でチベット仏教のお坊さんのお家でお茶会をしたり、バタ ー茶をいただきました。 また、回族の文化には「盖碗八宝茶」があります。習近平国家主席が来た際には文化として紹介されたようです。
よくお茶の教室で話題になったのは「青海省にはお茶文化などないと言われるがそんなことはないぞ」議論です。確かにお茶の木は育ちにくい環境にある青海省ですが、「黑枸杞茶」なんかはここの特産で青いお茶です。振り返れば、留学中に知り合った方たちの70%は、お茶を通して知り合った「茶友」と言っても過言ではありません。
留学後
留学から帰ってきて 2 か月が経ちましたが、毎日のように向こうでの生活を思い出します。行く前は全く知らない土地であったのに、今では第二の故郷のように大切な場所です。今でも、中国の祝祭日には向こうで知り合った友人、先生と祝福のメッセージを送り合い交流を続けています。中国の人々は「缘分(=縁)」という言葉をよく口にするのですが、 彼らの人間関係を大切にする民族性に感動させられました。この経験は、教科書からは決して学ぶことのできない、まさに留学中の最大の収穫であったと私は感じます。
この留学を通して「中国人」が好きになり、それが帰国後の中国語学習の 最大の エネルギーとなっています。
高校生・在学生へのメッセージ
ここまで、私の留学体験談を読んでいただきありがとうございます。中国留学に興味を持っている皆さん へ、最後に二点お伝えしたいと思います。
一点目は、国費留学という留学形態です。経済的負担が少ないのはもちろんのこと、自分で留学したい地域や大学を選ぶことが可能です。そこに行ってこれについて学びたい!と、明確な目的意識をもって過ごす一年は大変有意義であり、その場所が本当に第二の故郷のような存在になるかもしれません。
二点目は「不客气!!(=ご遠慮なく!)。遠慮せず、むしろどんどん人に頼るべきだと思います。頼り頼られることによって築かれた信頼関係は、今後もずっと続いてゆくものになるでしょう。単なる語学学習なら日本でもできますが、現地の人との交流は留学に行った者にしか体験できない感動があります。