短期大学部紹介 星の王子さま
No.24 そんなに急いでどこへ・・
2013年12月12日
22章と23章はとても短い話になっています。22章で初めて地球で出会う大人の人間である転轍手(スイッチマン)は冷静な目を持っているようですよ。急いでいるけれど、何のために急いでいるのかわからなくなっている大人たちについて批判的です。そして、これも地球で初めてでてくる「子どもたち」が「<ぼろぎれ>できた人形で<ひまつぶし>して、それを大切なものにしてしまう」ことについて「子どもたちは幸せだね」と答えています。
23章は原文で11行しかありません。ここでのテーマは「時間の倹約」。のどの渇きをなおす丸薬売りの話です。一週間に一粒飲むと一週間に53分倹約になる、というのです。 そして、その倹約した時間で「したいことをするのだ」と商人は答えます。
1949年に出て長年ビジネス手帳のスタンダードであった『能率手帳』が2014年度からその名を「ノルティ」に換えるようです。能率、効率ということが必要な時代背景、事情というものも確かにあります。でも、人間は、効率だけで生きているわけではないことも忘れたくないですね。では、何によって生きるのでしょうか。次章から第二の山場に入ります。
市瀬英昭