短期大学部紹介 星の王子さま
No.12 「褒められる」ことの功罪
2012年04月16日
二番目の星には「うぬぼれ屋」が住んでいました。「これは、これは、おれを崇拝するものがやって来た!」。彼は王子を見るなりそう言います。前の星の「王様」と同じですね。彼らは他者を必要としています。でも、それは自分にとって都合のよい他者です。決して逆らわない、いつも言うことを聞いてくれ、自分を気持ちよくさせてくれる相手です。
確かに、人に褒められて悪い気はしません。皆さんにも、落ち込んでいるときに「あなたならできる」「自分のよさに気づいていなんだね」などと、さりげなく、いいタイミングで声をかけてもらい、元気を取り戻した経験があるのではないでしょうか。しかし、「褒められる言葉しか決して耳に入らない」となると、これは、少し変です。というより、それでは成長がない、ということになってしまいます。その意味では、本当に叱ってくれる人に出会える人は幸せですね。
市瀬英昭