短期大学部紹介 星の王子さま
No.11 尊大に見えても・・
2012年03月12日
王子は自分の星を出発してこれから六つの星を訪問することになります。最初は「王様」の住む星です。この王様は王子を見つけるなり「おお、家来がやってきたぞ」。勝手に決めつけられても困りますよね。この王様にとってすべては自分中心に回っており、自分の権威が守られることが最も大事なこととなっています。でも、「承知しました」と素直に服従してもらえない命令は出さない、少し弱気な王様です。上から目線で話している様ですが、実は、傷つくことを極端に恐れているようでもあります。しばらく話しを聞いているうちに王子は退屈になり、「あくび」をします。関心事が相手と共有できないときに「あくび」が出ます。今の自分に興味がなくても将来、大事になるテーマというものも確かにありますが、ここでの「あくび」には私たちも同感ですよね。
ここの王様は尊大ではあっても憎めないキャラクターの持ち主として描かれています。普段は自覚していないけれども、確かに私たちの中にある傾向がコミカルに描かれているようでもありますね。「おとなたちって(複数形!)変だな」と独り言を言って、王子は旅を続けます。
市瀬英昭