短期大学部紹介 星の王子さま
No.10 旅立ちの朝
2012年02月08日
「ところで、いつもするそんな仕事も、その朝は、本当に身にしみました」。
バラの花との別れを決意した王子が、毎朝の日課として何気なく行ってきたこと、例えば、自分の小さな星の火山のすす払いをすること、放っておくと危険になるバオバブの新芽を抜くこと、花に水をやり覆いをかけることなどが、もう戻って来ないと決めた「出発の朝」には全く新しい意味を帯びてきて胸がいっぱいになる、という場面です。王子は、別れの言葉を「ア・デュー」(神のもとで、天国で(会いましょう)」と言っています。
「今日で最後」という日が来ると、日頃の決まり切った日課も景色も人間関係もすべてのことが全く違って見える、ということは予想できますよね。その時になって初めて、なぜ自分は日頃からそういう気持ちで人に接し、そういう気持ちで仕事や勉強に打ち込んでこなかったのだろうか、と反省するのでしょう。
毎朝ミサをささげるチャペルの壁に一つの額がかかっており、そこにこう書かれています。" Say this Mass as though it were your first Mass, your last Mass, your only Mass "。毎日をそんな気持ちで生きていきたいですね。
市瀬英昭