短期大学部紹介 星の王子さま
No.9 「好きになる」と「愛する」について
2012年01月23日
王子の回想からすると、星に残してきた花は、美しいけれど、わがままで、自尊心が強く、「なんだかやっかいな花だな・・」と思わせるようなのようです。その花を好きになっていた王子は、花の言うことを善意に取っていろいろと世話を焼きますが、コミュニケーションがうまくいかずとうとうその星を抜け出していくことになります。しかし、後に反省して言います。自分は花の「言うことではなく、すること」で判断しなければならなかったんだ。でも自分は幼すぎてその花をどのように愛すればいいのかわからなかった、と。
振る舞いや言葉や沈黙の背後にあるその人の想いに気づくことの大切さ。この本のテーマの一つですね。何かを誰かを好きになるということは人生の中で素晴らしい経験です。でも、好きという感情と愛するという意志、は区別する方がいい場合もあります。愛するとは、好き嫌いに関係なく、「大切にする」ということですから。
市瀬英昭