短期大学部紹介 星の王子さま
No.17 地球での<出会い>の初め
2012年10月11日
七番目の星「地球」。「七」は神秘的な数と言われます。王子はアフリカの砂漠に降り立ちました。時は「夜」。そこで最初に出会ったのはヘビです。「人間たちはどこにいるの」。分かり合える人間を探している彼はヘビに訊ねます。そして「誰もいなくてさびしい」と言う王子に、ヘビは答えます。「人間たちの中にいてもさびしいものさ」。その後も謎めいた、時々沈黙によって中断される、対話が続きます。
少し不気味な感じのするヘビですが、これまで訪問してきた星の住人たちとは違っていますね。小惑星の住人たちが「自分のこと」にしか興味がないのに対して、このヘビは「君は純粋、かわいそうで、か弱い」と王子に同情を寄せています。そして、もし自分の星へ帰りたくなったら「おれが手を貸してやってもいい」と。王子の最後を暗示している言葉のようです。
この本のクライマックスの一つである21章のキツネとの出会いまで、王子はヘビに始まり、一輪の花(18章)、こだま(19章)、バラたち(20章)と関わっていきます。
市瀬英昭