短期大学部紹介 星の王子さま
No.16 地理学者からの学び
2012年09月13日
六番目の星には地理学者が住んでいました。彼は、自分は書斎を離れず、実際に現地を見てきた探検家の話を聞いてそれを記録する仕事をしているようです。「おや、探検家がやってきた!」と初対面の王子を見て叫びますが、彼も自分の関心の範囲でしかものを見ない人のようです。そして、彼は自分の仕事がもっとも大事で地理学の本がもっともまじめな本だと信じています。「永遠に変わらない物事」にしか興味のない学者の口から、王子は、自分の「花」は「はかないもの」で「近いうちに消えてなくなる恐れがある」と聞かされます。そして、その花を自分の星に一人ぼっちで残してきたことを初めて後悔します。地理学者にとってはかない存在こそ王子にとってかけがえのないものだと気付いたからでしょうか。
次の訪問先についてアドヴァイスを求めた王子に地理学者は「なかなかの評判だから」という理由で「地球」を勧めます。地理学者の知識がここで役に立ちましたね。「はかない」の意味と地球の価値を王子は彼から学びました。
さて、七番目の星は、少し離れたところから見ると、素晴らしい眺めの「地球という惑星」です。そこでは、一体どんな出会いが待っているのでしょうか。
市瀬英昭