短期大学部紹介 星の王子さま
No.6 バオバブの木
2011年09月22日
バオバブの木は実際に存在する大きな木です。この木は最初から大きい訳ではありません。「大きなバオバブも、はじめは小さかったんだよ」。ですが大きくなると王子さまの小さな星にとって危険な木となります。それで、小さいうちに、ヒツジにそれを食べてほしい、という訳です。これで王子がヒツジを欲しがっていた訳がやっとわかりましたね。
でも、問題があります。バオバブの木もバラやその他の木も小さいうちは見当がつかないことです。「王子さまの星には、どの星もそうであるように、いい草と悪い草とがありました」。これは私たちの心の中には、と言い換えてもいいでしょう。悪い種ははやいうちに取り除くこと。そういう教訓があるのかもしれません。
ところで、これとよく似た話が新約聖書の中のイエスが語った「毒麦の譬え」にあります(マタイ福音書13章24-30)。そこでは、しかし、毒麦があるのに気づき、それらを抜き集めましょうか、と息巻くしもべたちに主人は「良い麦を毒麦と一緒に抜いてしまうといけないから刈り入れのときまで両方とも育つままにしておきなさい」と答える内容になっています。ここにはまた別の知恵がありそうですね。星の王子さまと聖書と読み比べても面白いと思います。
市瀬英昭