学科紹介 教員紹介
岸川俊太郎(きしかわ しゅんたろう):准教授
自己紹介
私の専門は日本近現代文学です。主に明治期から昭和戦前期を中心とした文学を研究対象にしています。文学作品を読解するだけでなく、文学が社会に受け入れられていく同時代的意味についても考察を行ってきました。言い換えれば、文学作品を同時代の文化・社会・政治的状況との関わりのなかで捉え直すことで、作品のもつ現代的意義を探ってきました。
近年は、近現代作家の異文化体験と創作活動との関わりについても関心をもっています。近代文学の作家たちは、とりわけ西洋文学から大きな影響を受けましたが、それは単なる西洋の模倣を意味しているわけではありません。作家たちは西洋の文学・文化を自らのうちに取り込むことで、新たな言語表現の世界を切り拓いてきました。近現代文学の作家がどのような異言語・異文化体験をし、自らの文学表現を更新していったのかを具体的な作品分析を通して辿り直したいと考えています。
私の研究対象である永井荷風という作家は、東京という都市に魅せられ、東京中を歩き、終生にわたって、変化し続ける東京の姿を描きました。荷風にとって、東京とは、自身の文学世界の可能性を広げる想像力の源であったといえます。
街を歩くことは、様々な発見があります。私も東京にいた時分は、荷風の顰みに倣って東京中を散策しました。作家ゆかりの場所を実際に訪れるフィールドワークを授業に取り入れたこともあります。これからは、名古屋の地を新たな研究の舞台として、文化的地域性という観点から、文学と社会の営みについて考え直したいと思っています。
主な担当科目
日本文学史C、近現代小説研究、近現代文学研究、日本文化学演習など
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